【毒食大陸中国】横行するスリ替えの私腹肥やし “容疑者”だらけの中国流通経路

2013.06.11

★(2)

 「仕入れに関しては厳格な安全基準を設けている」

 「トレーサビリティー(流通経路の追跡)を確保し、信頼できる業者と取引している」

 これらは、中国産食材を使用する食品メーカーや外食チェーンが、安全性を強調する際の常套句である。ところが、中国特有の流通事情を知れば、そんな言葉も無意味に聞こえてくる。

 これは、上海市の食品商社駐在員(42)から聞いた話だが、中国の食品流通は、原材料調達では単発取引も多く、さらに問屋や物流業者も省や市をまたぐごとに、別の中間業者が介在し、流通経路がかなり複雑なのだという。

 ある業者の売れ残り商品を別の業者が買い取って、自社製品として販売することもあり、川上から川下に流れるだけの単純なものではないのは確かだ。

 これでは、まともなトレーサビリティーの実現は難しそうだ。

 さらに、この複雑な流通経路のすべての段階で、毒食品が紛れ込む危険がある。

 広東省で日本料理店を経営する日本人男性(39)は、店に納入しているしょうゆやソースに、たびたびニセモノが混入していて頭を悩ませているという。いつも同じ業者から仕入れているにもかかわらず、だ。

 「中国でこれまで起きた食品偽装事件を見ても、製造元の社員はもとより、問屋や運送に携わるトラック運転手、食品売り場の販売員など流通に関わるあらゆる人間が“容疑者”になりうる。例えば調理場の雇われコックが、店が仕入れた正規のしょうゆを廉価なニセモノとすり替えて横流しし、差額で私腹を肥やすという具合です」(先の日本人男性)

 業者のみならず、流通過程に携わるあらゆる個人が食品偽装に加担するなか、「現地で独自の安全検査をしている」とうたう企業もある。しかし、「そんなところにコストをかけていたら、安さだけが取りえの中国産を採用する意味もなくなるので、大したことはやっていない」(先の食品商社駐在員)との指摘もある。

 日本人の想像をはるかに超えるレベルで、毒食品が横行する中国。中国からの輸入食品に頼らざるを得ない日本は、毒の流入にどう対処すべきなのだろうか。

 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき)1980年、愛媛県生まれ。上智大経済学部卒。2004年に渡米、出版社・新聞社勤務を経てフリーに。07年から中国・広州で取材活動を開始。08年に帰国し、中国の社会問題を週刊誌などで執筆中。著書に『週刊SPA!』誌上での連載「中華人民毒報」をまとめた『中華バカ事件簿』(扶桑社)など。

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