【大阪から世界を読む】「危ない中国製航空機」に追い詰められるトンガ王国  (1/3ページ)

2013.08.19


インドネシア東部の空港にハードランディングしてエンジンなどが大きく壊れたメルパティ航空の中国製「新舟60」を写した映像=2013年6月10日(AP)【拡大】

 南太平洋のトンガ王国に中国が無償供与した小型旅客機が、トンガとニュージーランドの外交問題を引き起こしている。この中国製飛行機「新舟60」は2年前の墜落事故に続き、今年も3件の事故を起こした札付きの「危ない飛行機」。安全性への懸念を理由にニュージーランドがトンガへの観光援助を停止し、これにトンガが不満を表明して批判の応酬になった。カメルーンの航空会社が導入を見合わせるなど、メード・イン・チャイナ機への安全懸念も広がっている。(坂本英彰)

■世界で最もひどい安全記録をもつ飛行機

 7月6日、トンガの空港に中国・西安飛機工業製作のターボプロップ機「新舟60」の姿があった。国王ツポウ6世臨席のもとに行われた引き渡し式だ。交通相を兼ねるバイプル副首相は、中国への感謝とともにこんな言葉を口にした。

 「この飛行機が米国やニュージーランドで承認されていないのは残念だ」

 西安飛機工業は国有の軍需関連企業である中国航空工業集団の傘下にあり、新舟60は航空産業の世界進出を担う。2000年に開発され、中国国内ほか、英紙ガーディアンによると、今春までに80機が各国に納入され、3年先までの予定も165機にのぼる。ただし欧米先進国は含まれず、アフリカやアジア諸国への販促を狙った無償供与も多い。先進国で飛べる安全性を備えているかは疑問視されてきた。

 疑いを強めたのが5月から6月にかけて立て続けに起きた事故だ。インドネシアの空港ではハードランディングでエンジンと翼が折れ曲がり、ミャンマーでは滑走路からはみ出す2件のオーバーランを起こした。いずれも人身への影響は軽微だったが、ミャンマー航空当局は「機体に問題がある可能性が高い」として、同型機の国内での運行を停止した。

 11年5月には、インドネシア国営メルパティ航空の新舟60が東部の西パプア州で墜落、25人が死亡している。オーストラリアABCラジオによると09年以来、新舟60の事故は11件にのぼる。同ラジオは「世界で最もひどい安全記録を持つ飛行機のひとつ」と評した。

 

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