【要警戒 韓国の軍事力】中国の「恫喝」で日韓軍事協定が頓挫 北京依存を強める韓国と日本への影響

2013.10.13

★(5)

 韓国の陸軍、海軍、空軍を分析した結果、同国が日本を強く意識した軍事力増強を行っており、日本を仮想敵国の1つにしている可能性が高まった。それ以外にも、韓国を警戒すべき理由は多々ある。

 李明博(イ・ミョンバク)前政権末期、日韓両国は、安全保障上の関係強化のため「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)および、「物品役務相互提供協定」(ACSA)を締結する方向で協議を進めていた。

 ところが、GSOMIAは昨年6月29日、署名式のわずか1時間前という土壇場で韓国側の申し入れで延期され、ACSAも直後の7月3日、韓国側の申し入れで協議が中断されてしまったのである。

 日韓の軍事関連協定が頓挫した原因は、表面的には「反日」一色の韓国世論の反発だが、中国側の「恫喝」があったことも忘れてはならない。

 韓国がACSA協議中断を日本に申し入れた昨年7月3日、中国共産党機関紙の国際版「環球時報」は社説で、「韓国に影響を及ぼせる手段を中国は数多く持つ」と報復をチラつかせた。「日本との軍事協定を結ぶな」と韓国を威嚇したのである。そして、翌4日、韓国が中国とACSA同様の軍事協定締結に向けた協議をしていることが発覚した。

 日韓の軍事協定は、韓国の安全保障にとって絶対不可欠の存在であるはずの米国が提案したものだ。環球時報の社説には、日米韓の中国包囲の動きに神経をとがらせる北京の意向がストレートに反映されていた。

 周知の通り、韓国経済を支える最大の貿易相手国は中国であり、その依存度は年々深まっている。中国の脅しは経済を「人質」にしたものと思われるが、「韓国も『米国が北朝鮮の暴走を本気で抑える気がない』とみて、中国に安全保障も依存し始めている」という分析もある。

 韓国の本音は分かりづらいが、このまま自由主義陣営にとどまったとしても、冷静さを完全に失い、すべてに反日を優先させる国民感情や世論が、日本にとって脅威であり続けることは疑いない。韓国人はスポーツであろうが何であろうが、対日戦となると“反日アドレナリン”を分泌させ、猛烈なパワーを発揮する。

 欧米諸国の中には、対日戦を想定したプレゼンテーションで、韓国に最新兵器を売り込む兵器メーカーもあるという。通常、軍の装備は、自国の安全保障環境や財政状況などで決まるが、「韓国軍は自衛隊を見て決める」ため、チグハグな軍事力整備も目立つ。

 ただ、万が一の対日衝突時に「反日」が韓国の“最強の秘密兵器”になることは、客観的評価と言って差し支えないだろう。わが国は韓国の軍事力を現実の脅威として直視し、国民の生命と財産を守る対応を考えるべきだろう。 =おわり

 ■井上和彦(いのうえ・かずひこ) 軍事ジャーナリスト。1963年、滋賀県生まれ。法政大学卒。軍事・安全保障・外交問題などをテーマに、テレビ番組のキャスターやコメンテーターを務める。航空自衛隊幹部学校講師、東北大学大学院・非常勤講師。著書に「国防の真実」(双葉社)、「尖閣武力衝突」(飛鳥新社)、「日本が戦ってくれて感謝しています−アジアが賞賛する日本とあの戦争」(産経新聞出版)など。

 

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