【国際ビジネスマンの日本千思万考】中国・インドを追うな、日本が学ぶべきは「スイス」の賢さ・逞しさ (2/3ページ)

2013.11.25

■アフリカに浸透する中国とインド

 さて、追い込まれた中国ですが、資源立国R群の「アフリカ諸国」へ進出しつつあります。数十万人の定住華僑による情報網と資本投下に呼応して、すでに数百万人が移住しており、資源産出地はもちろんのこと未開地に繊維業などの興行団地を設営しつつ、そこで働いております。またアフリカには、古くからインドが移住を進めており、印僑だけでも300万人が点在してます。

 特にサハラ砂漠以南の地域は、エチオピア、モザンビークをはじめ、成長率15%以上の国々が目白押しです。ちなみに、エチオピアは人口6千万強、人件費は中国の10分の1で、繊維業や製造・組み立て業にとって国際貿易競争上、大きな武器となっています。

 日本のアフリカ進出はJICAやODAなど“お金稼ぎ”に特化するだけで、華僑・印僑のような、アフリカの隅々にまでネットワークを張り巡らせた上、やる気のあるタフな移民部隊を送り込んでいる体制に比べ、テロや危機管理が不十分となります。“想定外”の危機への対策・応変に大きく遅れをとっているのではないでしょうか。

■日本が目指すモデルはスイスにあり

 とはいえ、日本が印中の“人海戦術”にならうのは無理があります。日本が参考にすべきは、人件費の安い国への移動とはまったく逆の発想で世界の投資を呼び込む「V=バリュー国家群」です。

 北欧諸国やスイス、シンガポール、ルクセンブルクなど、資源もない小国ながら技術力、知的労働力、ブランド力、金融力などに優れ、「グローバルに活躍できる高度な人材」を生かしている賢い国家群こそ、日本はモデルにすべきでしょう。工業国の至上目的だった量=GDPの大きさより、量の先にある知価=質を追求し、金融やブランド品、占有力の高いハイテクなどを通じて、高い付加価値によって「高所得を稼ぐGNI国家」を目指すべきなのです。

 スイスといえば「観光」というイメージが強いかもしれませんが、同時に技術・ブランド立国の国でもあります。人口800万の小国ながら、世界のトップ企業が数十社もあるそうです。国内に市場がなく、EUにも加盟していないので、最初から世界市場をターゲットにせざるをえないのです。

 たとえば、世界最大の食飲料会社のネスレ、ロレックスをはじめとする伝統の高級腕時計産業、高級チョコのリンツ、世界有数の人材派遣事業のアデコ、ヘッドハンターのエゴンゼンダー、セメントのホルシカー、海もない国なのに船舶エンジン世界一のスルザー…。これらのスイス企業は「いくらフラン高になっても為替の影響は受けない」と豪語しており、“想定外”を未然になくしてしまう賢い国家なのです。

 直接民主制のスイスでは、大統領さえ連邦議会選出の7人の執行役が輪番で受け持ち、政治は国よりも州レベルで完結しているようで、議員は自分の仕事との兼務なので全員無給です。公用語は5カ国語とグローバル化を後押ししており、人材育成は大学に頼らず、国民の8割が中学・高校卒業までに実学・職業訓練を受けます。18歳になったときにはすでに「稼ぐ力」を持っており、大学卒と同等以上の年収を得ているようです。

 大学過剰で22歳まで稼ぐことを知らず、職能を持たない若者が半数を占める日本は、高等教育と職業教育を大幅に見直す必要がありそうです。

 

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