【桜井紀雄の劇的半島、熱烈大陸】韓国「反日」の英雄、安重根が夢見たのは日本との共闘? (1/4ページ)

2013.12.09

 初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺した安重根の存在がこじれた日韓関係に火をつけている。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の要請で、暗殺現場の中国・ハルビン駅に記念日を設置する動きに対する「安重根は犯罪者だ」との菅義偉官房長官発言に、韓国は「病的な歴史認識だ」と猛烈にかみついた。韓国にとって安重根は日本と断固戦った「反日」のシンボルだ。しかし安重根自身は日本への好印象にも触れ、西洋に対し「一致団結すべき」と書き残していた。韓国では決して教えられない安重根が抱いた日本観とは−。

■「日本軍国主義の心臓に銃放った」日韓応酬に中国援護

 今年6月に訪中した朴槿恵大統領が、習近平国家主席に、安重根の記念碑設置に対する協力を要請したのが発端だった。

 11月18日には、朴大統領はソウルで会談した中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員に、碑の設置が「両国の協力でうまく進んでいる」と謝意を示した。

 これを受け、菅義偉官房長が翌19日午前の記者会見で「わが国は、安重根は犯罪者であると韓国政府にこれまでも伝えてきた。このような動きは日韓関係のためにならないのではないか」と述べた。

 この「安重根イコール犯罪者」発言に韓国側は即座に反応した。韓国外務省報道官は「日本の帝国主義、軍国主義時代に伊藤博文がどんな人物だったか、日本が周辺国に何をしたかをかえりみれば、発言はあり得ない」と強く批判した。

 菅氏は同日午後に「随分と過剰反応だなと思う。私は従来のわが国の立場を淡々と述べただけだ」との認識を示した。

 この日韓の対立に、中国外務省報道官がこの日のうちに安重根について「歴史上有名な抗日義士で、中国でも尊重されている」と述べた上で、碑設置を推進する姿勢を見せ、韓国に援護射撃した。

 翌20日には、韓国国会で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が「日本の指導者が歴史を無視した言動を続けながら、国際社会の平和に寄与しようというのは矛盾だ」と主張。韓国与党議員は「安義士は伊藤という個人に向けてではなく、韓国や中国などアジアを侵略した日本軍国主義の心臓に銃を放った」と安をたたえ、「日本軍国主義が人類に対する強大な罪を犯したというのが人類共通の評価だ」と舌鋒(ぜっぽう)鋭く日本を非難した。

 尹外相らの主張に対し、世耕弘成官房副長官がこの日の会見で、安重根について「伊藤博文を殺害して死刑判決を受けた人物と認識している。それに尽きる」と反論した。これに韓国側が再び反発し、世論が炎上。韓国の「歴史ナショナリズム」において安重根の存在の大きさをまざまざと見せつけた。

 

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