【ニッポンの分岐点】日韓関係(2)“反親日”の旗印の前に言論の自由さえ封殺する社会 (1/3ページ)

2014.01.20

 ■「言論の自由」封殺する現実

 日韓双方で1990年代初頭、韓国観や日本観に関する本が相次ぎベストセラーになった。88年のソウル五輪とそれに続く韓国人の海外旅行自由化で日本人と韓国人が接する機会が格段に増加したことが背景にある。だが、著者らは韓国で最も敏感な「反日」「親日」をめぐる論争に巻き込まれ、翻弄されていく。

 ◆日本を目指す女性たち

 韓国語に女性の強さを指す「チマ・パラン(スカートの風)」という言葉がある。韓国出身で、現拓殖大教授の呉善花(オ・ソンファ)(57)が「スカートの風」をタイトルにした本を90年に出版しベストセラーとなった。

 韓国に居場所を見いだせず、日本を目指して歓楽街のホステスなどに就く多数の韓国人女性の姿と、それを生む韓国社会のゆがみを女性の目線から描いた。韓国人のように大きな夢を語らなくとも「黙々と働く日本人の朗らかな笑顔」に共感を記した。

 「話ができる韓国人がいると知った。頑張ってください」…。呉のもとには激励する読者の手紙が殺到した。多くが韓国とのビジネスを経験した日本の中高年男性からだった。

 呉は韓国南部の済州島(チェジュド)出身。終戦まで鹿児島で暮らした母親から、子供たちの防空頭巾を縫ってくれたり、野菜や果物をくれたりした日本人の親切さを聞かされながら育った。

 だが、学校教育が母親の思いを打ち砕く。韓国人に非道を尽くした日本人像がたたき込まれ、いつしか日本をほめていた親を「恥ずかしい」と感じるようになった。

 親日的なことを公に話せない空気が流れていたが、そんな中でも島には日本や日本製品のよさを平然と口にする女性たちがいた。相反する2つの日本観を抱きながら83年に日本に留学。アルバイトで韓国人ホステスらに日本語を教える中で彼女らの境遇を知る。

 日本人ビジネスマンには韓国語を教えた。韓国の経済発展や89年からの旅行自由化で両国間の交流が増加。その分、摩擦も生まれたが、韓国人に本音を言うことを恐れる日本人を歯がゆく感じた。日本での出版を考えたのは「日韓友好というきれい事では何も進まない。考え方の違いを知ることから始めなければ」との思いからだったという。

 

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