【「靖国」後 (中)】激化する中国の世論戦 受けて立った外務省「もう事なかれでは済まない」 (1/3ページ)

2014.01.31

 正月休み明けの1月初旬、東京・霞が関の外務省の一室に集まった同省幹部らは、一様に厳しい表情を浮かべていた。机上には、世界各国に駐在する中国大使らが、赴任国のメディアに投稿した安倍晋三首相の靖国参拝を批判する記事のファイルがあった。

 「日本は第二次世界大戦後の国際秩序をいまだに受け入れない」

 「中英両国は一緒に戦争に勝った」

 中国の大使による投稿記事を分析していくと、共通した特徴が見つかった。

 まず、首相の個人攻撃を行った上で「日本は軍国主義に戻りつつある」などと論理を飛躍させる。そして最後に「第二次大戦をともに戦ったわれわれに挑戦しようとしている」と相手国に中国は「戦友」であると呼び掛け、日本が「戦後秩序への挑戦」をしているのだと印象付ける論法だ。

 これまでの日本の対外広報戦略は、感情的な反応は避けて、関係国への水面下の根回しで問題の沈静化を図るというものだった。それは「相手の土俵に乗る必要はない。下手に事を荒立て、かえって問題が大きくなるのはまずい」(幹部)との考えからだった。

 とはいえ、今回は過去の事例とは事情が違う。中国は外務省が音頭を取り、組織的に「世論戦」を仕掛けてきた。日本の戦後の平和の歩みを意図的に歪(わい)曲(きょく)しつつ、「戦勝国」と「敗戦国」という枠組みを使って対日包囲網を敷こうとしている。

 「これほど下品な行為は見過ごせない。今回は売られたケンカは間髪入れず買わなければならない」

 会議では幹部の一人がこう発言し、中国大使の投稿先の各国メディアに対しては、日本も例外なく反論の投稿を行う方針を決めた。

 反論文では、中国が急速に軍備拡張を行っていることや、南シナ海で力による領土・領海の現状変更を迫っていることなど、具体例を挙げて「国際社会にとって危険なのはどちらか」と訴えることも決定した。

 また、靖国参拝はあくまで戦没者追悼のためであり、日本は戦後、他国に向けて一発の銃弾も撃ったことはなく、軍国主義に戻ることはない−などと淡々と説明することにした。

 外務省はただちに各国の在外公館に対し、こうした指針を「マニュアル」形式にまとめ、通達を出した。

 

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