【「靖国」後 (中)】激化する中国の世論戦 受けて立った外務省「もう事なかれでは済まない」 (2/3ページ)

2014.01.31

 中国外務省のホームページなどによると、30日時点で、中国の在外大使が現地メディアを通じて首相の靖国参拝批判を行った国は74カ国・地域(インタビューも含む)にのぼる。日本側は46カ国・地域で反論投稿を行ったほか、インタビューに際しても中国側と同分量での出演を求めている。

 こうした日本の努力によって「アジアの国々は安倍首相の防衛予算拡大を静かに歓迎しており、むしろ中国の軍拡と海洋上の強固な主張をより懸念している」(英エコノミスト誌)という評価も目立ち始めた。

 ある外務省幹部はいう。

 「以前は事を荒立てる不利益の方が注目されたが、現在は国際的に力を付けた中国が、日本に真正面の戦いを挑んでいる。もう『事なかれ』では済まない」

 「春節(旧正月)前というのに、次々と新しい仕事が降りかかってくる。うちの会社は人使いが荒い」

 1月下旬のある夜。北京市中心部の日本料理店で、中国の政府系シンクタンクに勤務する日中関係史の研究者は、焼き魚を箸でつつきながらつぶやいた。

 店内の大型テレビは「安倍晋三首相のダボス会議における発言を批判する討論番組」を流していた。この研究者の同僚がゲスト出演し「今の日本は、大変危ない方向に向かっている」などと口角泡を飛ばしていた。

 昨年12月26日の首相の靖国神社参拝後、研究者が所属する部署は当局から「歴代日本首相の靖国参拝の比較」「靖国参拝に関する日本世論の変化」「神道が軍国主義思想に与える影響」といった複数の研究プロジェクトが与えられた。

 締め切りまで時間が少なくみんなで手分けして執筆しているという。研究者は「これで旧正月は休めなくなった」とぼやき、「昨年は本当に忙しい一年だった」と振り返った。

 昨年の年初は尖閣諸島の歴史的経緯、次は沖縄の帰属問題、年末になってからは靖国関連の仕事が与えられ、日中関係の変化に伴い、研究テーマも次々と変更されたのだという。

 2012年11月に発足した習近平指導部は、胡錦濤前政権と違って日本との対決姿勢を強めた。日本を論破するために、この研究者のような日本問題の専門家の重要性が高まり、仕事が急増したのだ。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!