安倍首相と習主席を天秤に したたかなプーチン大統領 北方領土は…

2014.02.09


日本選手団の入場行進時に、地面に映し出された日本地図の北海道周辺。雲のようなもので北方領土は見えない=7日(共同)【拡大】

 【モスクワ=遠藤良介】ソチ五輪開幕式に合わせた安倍晋三首相の訪露はロシアで好感されている。ただ、プーチン大統領は6日、ソチを訪れた各国首脳の中で最初に中国の習近平国家主席と会談しており、日中両国を天秤(てんびん)にかけて国益の最大化を図る姿勢が鮮明だ。北方領土問題では、露外務省が日本側の受け入れられない歴史認識を振りかざし、日本に「譲歩」を迫る構図となっている。プーチン政権は「愛国主義」による支持基盤強化に動いてもおり、領土交渉を大胆に動かせる状況にはない。

 中国国営新華社通信によると、プーチン氏は6日の中露首脳会談で「日本の軍国主義による中国などアジア被害国に対する重大な犯罪行為を忘れることはできない」と述べ、2015年に予定される戦勝70周年の記念行事を共同開催する考えを示した。ただ、露主要メディアはこの内容を報じておらず、日本を刺激することを避けたい政権の意向があったもようだ。

 プーチン氏は中国との友好関係を最重要と認識しつつ、日本との関係改善によって中国を牽制(けんせい)し、課題の極東・東シベリア開発にも日本の協力を得たい考えだ。北方領土問題については、「平和条約の締結後に色丹、歯舞を引き渡す」とした日ソ共同宣言(1956年)を軸に解決する考えを変えていないとされる。

 昨年の領土交渉再開以降、ロシア側は「第二次大戦の結果として四島はロシア領だ。これを認めねば交渉は始まらない」との立場を突きつけ、国連憲章の旧敵国条項まで持ち出して北方四島の領有を正当化してきた。ロシア側の歴史認識を強硬に打ち出し、日本に「政治決着」という名の譲歩を要求している形だ。

 プーチン氏の支持率は長期的な低落傾向で、経済の見通しも暗い。国内向けに領土問題での「弱腰」は見せられない状況だ。政権は公務員や国営企業従業員、地方住民といった層の支持を固め直そうと、保守路線を鮮明にしてもいる。「大戦での勝利」を強調し、旧ソ連時代を美化する「愛国主義」はその中核をなす要素といえ、日本側の歴史認識は容認できない。

 

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