中国、失政で銀行危機拡大へ 広がる貧富の差に人民の暴発相次ぐ (2/2ページ)

2014.03.31


杭州市では2月下旬、マンション値下げの抗議活動で、モデルルームに展示されていた模型が破壊された(共同)【拡大】

 もう一つの火種が銀行だ。江蘇省塩城市では、2つの地方銀行が破綻するという噂が広がり、預金引き出しを求める人が殺到する取り付け騒ぎが3日連続で発生した。

 ロイター通信によると、現地の警察当局は、銀行破綻の噂を広げたとして、26日に容疑者の身柄を拘束したという。当局は火消しに躍起だが、中国の預金者が銀行経営に不安を持つのは、何の根拠もないものとはいえない面もあるようだ。

 というのも、習主席と李克強首相ら政府首脳が全国人民代表大会(全人代)などで掲げた政策方針が銀行危機を引き起こしかねないのだ。

 「影の銀行」の膨張を抑制しつつ、経済成長率7・5%という目標を維持したが、大手シンクタンクのエコノミストは「中小企業が影の銀行から資金調達できなくなっており、7・5%成長を維持するために、政府は銀行にもっと金を貸せと指示を出すだろう。銀行貸し出しが増えれば増えるほど、潜在的な不良債権も増えてゆく」と警鐘を鳴らす。

 中国国内の貧富の差の拡大も人心不安に拍車をかけている。社会の所得格差を示す指標として知られるジニ係数は格差が小さいほど数値が0に近づき、大きいほど1に近づく。

 中国のジニ係数は改革・開放を開始した1978年の0・32から2000年は0・41へと悪化、13年は0・473と、国民の不満が高まるとされる高水準だ。

 数値の上では08年以降、低下傾向にあるのだが、アジア経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は「富裕層の所得が捕捉しにくいことや、保有する資産の格差についても考慮すると、実態の格差ははるかに大きい」とみる。西南財経大学の調査では、中国の55%の世帯には預金がゼロまたはゼロに近く、10%の世帯が預金全体の75%を占めているという。

 「共産党の一党独裁による社会主義市場経済という極めて特殊な中国の政策運営で、バブル崩壊を防ぎながら経済減速を切り抜ける方法が存在するとは思えない。貧富の格差はますます拡大し、人民による暴動に発展してもおかしくない」と勝又氏は語る。

 前出のエコノミストは「共産党と一般庶民の溝が修復できないほど広がりつつある」と語る。人民の不満は燎原の火のように広がりつつあるのか。

 

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