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中国の中央銀行である中国人民銀行は、2月の旧正月(春節)明け以降、金融市場から資金(人民元)を吸収するフォワードレポ取引を継続している。すなわち、金融の引き締めだ。人民銀行は、すでに過去8週間で差し引き1兆360億元(約17兆3500億円)の人民元を引き上げ、マネタリーベースを縮小した。
中国人民銀行の金融引き締め政策は、すでに始まっている中国の不動産バブルの崩壊を加速することになるだろう。というよりも、そもそも、中国共産党は、国内不動産価格が人民の所得水準と比べ、あまりにも乖離(かいり)した水準にまで高騰したことを受け、あえて「バブル潰し」をもくろんでいるようにも見える。
中国の経済専門紙「経済参考報」など複数のメディアが2月10日、中国全国の9割以上の都市で、1月の不動産成約件数が前月比で大幅に下落している事実を報じた。
中でも、大連の成約件数の下落ぶりは半端なく、前月比で53%減である。2013年12月と比べ、不動産の成約数が半分未満になってしまったわけだ。(2番目に下落率が大きかったのは、深センの44%減)
成約件数が減ると、当然ながら不動産価格も下がる。すでに、厦門(アモイ)、温州、洛陽などの地方中堅都市における不動産価格下落が始まっている。
特に、中国不動産市場に衝撃を与えたのは、2月18日に杭州の新築マンションが、当初の予定価格1平方メートルあたり1万9500元(約32万円)から、同1万5800元(約26万円)に大幅値下げされた件である。