差し押さえ船「契約残り17年」…現地取引先は困惑 中国「戦争賠償と無関係」  

2014.04.22

 【上海=河崎真澄】中国外務省の秦剛報道官は21日の記者会見で、上海の裁判所が商船三井所有の船舶を差し押さえた問題で、「一般的な商業契約上の案件で中日戦争の賠償問題とは関係ない」と主張し、中国による戦争賠償放棄を明記した1972年の日中共同声明を「断固として守る立場に変化はない」と述べた。秦氏は「外国企業の合法的な権益を法に基づいて守る」とも強調し、差し押さえを戦争賠償とは切り離して考える姿勢を示した。

 日中関係の悪化に伴う習近平指導部の対日強硬策が差し押さえの背景にあるとの受け止めから、日本企業の対中進出に手控えが広がることを懸念したようだ。

 一方、商船三井は、中国の裁判で約29億円の損害賠償を命じられた判決が確定した2010年以降、「上海の裁判所とともに原告側と示談交渉を進めてきたが19日に突然、船舶の差し押さえ執行を受けた」と説明し、中国側の措置に不快感を表している。

 差し押さえられた船舶は、商船三井と中国国有企業の宝山製鉄(本社・上海市)が結んだ独占的な輸送契約によって、鉄鉱石の輸入専用船として使用されていた。

 契約は11年から20年間で、宝山製鉄は産経新聞に対し、「残る17年も、この鉱石運搬船による輸送を前提に結んだ契約と同等の業務遂行を商船三井に求めていく」と話し、差し押さえが中国国内に不利益をもたらすことへの懸念を表明。政治的判断による差し押さえが中国側にも経済損失を与えることを示した形だ。

 同船は日本船籍。鉄鉱石を積んで上海沖の離島の港湾に数日前に到着し、鉄鉱石を降ろし始めたところで差し押さえられた。21日も停泊して荷降ろしは続けられており、約25人の乗組員は船内にとどまっている。

 

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