【遠い響・近い声】南シナ海に伸びる中国の「赤い舌」 (1/2ページ)

2014.05.27

 南シナ海での中国とベトナムの衝突から間もなく3週間。問題の海洋石油会社は「作業を8月15日まで続ける」と居座り、ベトナムも海軍力の圧倒的な差にもかかわらず引き下がらない。

 事態の長期化が、結局は中国の無法行為を既成事実にする公算は大きい。そして振り返れば、これこそが中国の目指すところであることも分かる。

 中国が米軍のベトナム撤退の間隙(かんげき)を縫い、当時の南ベトナムが支配するパラセル(西沙)諸島をめぐり交戦、占領したのは1974年のこと。88年にはスプラトリー(南沙)諸島をめぐる戦いに再び勝利し、92年には領海法を制定、南シナ海と東シナ海の島嶼(とうしょ)を一方的に領土にした。95年、またも米軍撤退を待っていたかのようにフィリピンが実効支配する南沙諸島ミスチーフ環礁を奪取した。

 つまり、この40年、中国は南シナ海で交戦→占領→領土化を着々と進めてきたことになる。実効支配に挑戦し、軍事力を含むあらゆる手段を駆使して現状を変更し、その後は国際社会の非難も承知の上で実績作りに励んだ。

 尖閣諸島を持つ日本には警告であるとともにこれ以上の教訓もあるまい。

 さらに、今回の一方的な石油掘削開始は、係争海域での掘削作業の常態化にも道を開く。そうなれば領有権の係争海域が名実ともに中国の内海になる。中国が独自に主張する境界線「九段線」で結ばれた内海は、まるで中国大陸から傍若無人に伸びた大きな舌みたいである。

 一方で、中国は、ベトナムをはじめ東南アジア諸国連合(ASEAN)が最も尊重する東南アジア友好協力条約に、躊躇(ちゅうちょ)する日米に先駆け加盟した。同条約は紛争の平和的解決を謳(うた)う。また法的拘束力のある行動規範の策定にも合意するなど表向き対話の姿勢を崩さない。

 

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