中国の替え玉受験「依頼者は官僚」…国営テレビが実態暴露 (2/3ページ)

2014.06.22

 ■「すでに買収している」

 試験本番まで1カ月足らず。李氏は初めて替え玉候補の学生たちに直接接触した。面会場所は大学近くの喫茶店だ。

 替え玉受験を行う入試会場は、李氏の地元である河南省の県で、顔が利く知人も多いという。

 「2012年から河南省は指紋照合機を導入した。しかし、受験生の人工指紋膜をつくって君の指に張れば問題ない」

 李氏はこう続ける。「指紋以外にも、試験監督が受験生の身分証の写真と、あなたの顔を照合する」

 思わず替え玉志望者がたずねる。「本来の受験生の顔と私の顔は当然違いますよね」

 「それが、試験監督は同じ顔だと思うのだ。なぜかわかるか?金だ。すでに買収されているので、身分証の写真と君は同じ人物と思うのさ」

 さらに、替え玉の手口を得意げに披瀝する李氏。「試験会場1カ所(の監督者たち)を買収するのにいくら必要か知っているか?去年は1カ所につき6万元(96万円)かかったが、今年は7万元(112万円)からだ」

 “買収相場”も年々上昇しているらしい。

 「依頼者はみな幹部の師弟だ」

 そう説明する李氏に志望者がたずねる。「金を持っている公務員か」

 「そうだ。今、彼らに奉仕しておけば、将来、私が地元に戻ったときにきっと助けてくれるはずだ」

 李氏の隠し撮り映像は、モザイクなど一切なし。容赦なく13億人の視聴者に顔がさらされた。

 ■失敗しても謝礼

 替え玉志望者の最終選抜試験の場所は、なんと某大学の教室。“替え玉受験ビジネス”には大学の教員が関係しているようだ。志望者4、5人が受けた試験は数時間におよんだ。たびたび大学生が自習のために教室に入ってきたが、李氏は適当なことを言って追い出したという。

 試験本番の2日前、最終テストを通過した替え玉の学生たちは、依頼者の保護者と初顔合わせ。このとき大学の教員と自称する「張先生」が登場し、替え玉たちに「手付金」として各5000元(8万円)を渡した。もし不正が発覚して試験会場に入れなくても、さらに謝礼の5000元、計1万元(16万円)を支払うという。

 保護者の女性も慣れた様子で、替え玉となる学生に言い含める。「もし問題が起きても絶対に不正を認めてはだめ。すでに試験監督は買収してあるから大丈夫。彼らも面倒が起きることを恐れている」

 はたして、この替え玉の学生たちは無事“任務”をまっとうできるのか。

 

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