【湯浅博の世界読解】日米の統合能力が中国を封じる 「新型の大国関係」は退潮の空気 (1/2ページ)

2014.09.24

 今月半ば、日本の国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の訪米チームは、ワシントンで十数人の研究者たちと相次いで会談をした。同行した私のテーマは、「米国はライジング・チャイナをどう封じようとしているのか」との答えを探すことだった。

 米国の戦略家から聞こえてきたのは、現在のオバマ政権が対中戦略を欠き、バランス・オブ・パワー観が欠如し、政策に一貫性がない−という厳しいものだった。そのオバマ政権が打ち出すアジア・リバランス(再均衡)は、4月の日米首脳会談で同盟関係が立て直され、ようやく軸ができたというのが共通認識だったように思う。

 気がかりはシリアからイラクで増殖する「イスラム国」への空爆による介入と、ウクライナ東部でのロシアの介入が払拭されていないことである。専門家たちは、中東への介入は米空軍を中心とした限定的なものであり、国防費でやや影響を受けるものの、対中リバランスは変わらないとの見立てであった。

 オバマ政権がこれまで、習近平国家主席が繰り返す「新型の大国関係」という政治コピーを安易に受け入れていた件も、退けられつつあるとの見解だ。当時、国家安全保障会議のアジア上級部長だったジェフリー・ベーダー氏は、この概念に大した価値を置かずに、「中国との競争を管理し、中国の協力を引き出す手段」としか考えていなかったと語る。

 しかし、ブッシュ政権で同ポストにいたマイケル・グリーン氏は、この「大国関係」には台湾や南シナ海など中国の核心的利益を尊重するという含みがあり、「米国が日本をセカンド・パワーに位置づけたと触れ回る根拠」にするとみた。

 

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