【正論】起訴にみる韓国の反日歴史観 拓殖大学総長・渡辺利夫 (1/2ページ)

2014.10.14

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長がソウル中央地検により度重なる出国禁止措置を受け、在宅起訴となった。私はこの件に関して公には一言も発してこなかった。加藤氏の処遇に少しでも悪影響があってはならないと考えたからである。いかな韓国といえどもそこまで理にかなわぬ決定を下すことはあるまいという思いがあってのことでもある。無念である。

 加藤氏がウェブサイトで、セウォル号沈没事故の起こった4月16日の当日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が7時間にわたり所在不明であったことを報じた。この産経記事に対して韓国の市民団体が大統領の名誉を毀損(きそん)するものだと反発。団体の告発を受けてソウル中央地検が加藤氏を事情聴取のために出頭させ、出国禁止措置を経て、情報通信網法における名誉毀損により起訴するにいたったのである。

 ≪ダブルスタンダードの処分≫

 ウェブ記事はソウル支局の独自取材で書かれたものではない。記事のほとんどは韓国の大手紙、朝鮮日報のコラムに素材を得ており、実際、記事は“朝鮮日報のコラムによれば”と再三、ことわりながら書かれている。

 朝鮮日報のコラムは、7月7日の国会運営委員会での大統領府秘書室長と新政治民主連合院内代表とのやりとりを紹介。朝鮮日報はそのやりとりからみて「セウォル号沈没事故が発生した日の午前10時ごろ、朴大統領が書面で初めて報告を受けてから中央災難(災害)安全対策本部に出向くまでの7時間、対面での報告も、大統領主宰の会議もなかったことが判明した」と報じたのである。

 そのうえで朝鮮日報はこの「空白の7時間」について然るべき説明がなされなければ、すでに韓国内で流れているあらぬ噂を否定できず、大統領支持率の一段の低下につながると警告する。

 優れたコラムだと私は思う。産経支局長もそうみなしたがゆえに、このコラムを紹介する形で記事を書いたのであろう。外国の特派員が、権力中枢にまで深い取材ネットワークの根を張る現地ジャーナリズムに依拠して記事を発信することはよくあることだ。

 にもかかわらず、ソウル中央地検が加藤氏に出頭を命じ、大統領府もまた産経に民事・刑事上の責任を問うことを検討している旨を述べた。韓国外務省報道官までが“流言飛語をもとに国家元首の名誉を毀損する悪意ある報道であり、看過しえない重大な問題である”と表明するにいたった。他方、朝鮮日報には法的な咎(とが)めはない。ダブルスタンダードである。記事取り消しを求められた産経がこれを拒否したのは当然である。

 

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