7〜9月期の国内総生産(GDP)成長率も7・3%と、リーマン・ショックの影響が残っていた09年1〜3月期以来の低水準になったが、統計の信憑(しんぴょう)性そのものに疑問が持たれており、実際の成長率は3〜4%程度にまで落ち込んだとの見方もある。
「中国の投資額は国内総生産(GDP)の48〜49%というばかげた水準となっている。年率10%成長ならこれだけの投資を維持することも可能だが、成長率はどんどん下がっており、債務水準が上昇している」とクルーグマン氏は懸念を示す。
中国の経済不安が噴出しているのが不動産だ。9月の新築住宅価格指数が主要70都市のうち69都市で前月より下落、上昇した都市はゼロだった。
政府は住宅市況を下支えするため、住宅ローンの融資条件を緩和。各地の地方政府も、バブル抑制のために実施していた住宅購入制限策を相次いで取りやめた。不動産開発の資金は主に「影の銀行(シャドーバンキング)」で調達されており、金融機関の信用リスクも拡大している。
クルーグマン氏は続けた。「(不動産バブルが崩壊した)1980年代後半の日本に似ているが、もっと悪いかもしれない。今後、中国は大きな調整が必要になってくるが、うまく着地できるか。深刻な状況になっており、心を痛めている。これから数年、世界経済にとって中国はリスクになる」
クルーグマン氏は日本経済にも精通しており、1990年代からデフレ脱却策としてインフレ目標政策の導入を提言するなど、アベノミクスの源流ともいえる理論の持ち主でもある。




