【ビジネス解読】「旅客機」「鉄道車両」中国に大きく水あけられる韓国の憔悴… (2/3ページ)

2015.01.22

■政府内部で意見の隔たり

 キム・ハクボン韓国航空大教授は「時間がたつにつれて(他国との)技術の差が広がり、結局韓国の独自開発が難しくなる」と嘆いた。

 韓国は97年の通貨危機直後、大宇重工業、サムスン航空、現代宇宙航空の航空機製作を切り離し、政府が支配する韓国航空宇宙産業(KAI)に統合したことも旅客機開発が遅れた理由として挙げられる。チョ教授は「国内では民間が手を引いているため、周辺国が旅客機を飛ばすまで何もできなくなっているのが現実」と話した。

 一方、鉄道分野でも中国に圧倒的なリードを許している。中国は国有企業の「中国北車」と「中国南車」を合併し、新たに「中国中車」を設立する。両社の2013年度の売上高を合算すると、日本円換算で3兆7000億円以上に達する。ボンバルディア(カナダ)やシーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)といった世界的大手の鉄道部門の売上高は8000億〜1兆円程度で、中国の新会社は圧倒的な規模を持つ。

 中国側は、「中国版新幹線」と呼ばれる高速鉄道をはじめとした鉄道車両や設備の輸出攻勢を一層強めることになり、新幹線の輸出を目指す日本にとっても強敵といえ、世界各国の高速鉄道プロジェクトで火花を散らすことになりそうだ。

■中国に奪われそうなソウル市地下鉄受注

 韓国の悩みは、日本勢や欧州勢のように海外市場で激突するというより、「中国中車」に自国市場に攻め込まれる点にある。中国の圧倒的な規模と価格競争力が、韓国の車両メーカーや関連する中小企業の存在を脅かしかねないのだ。

 中央日報電子版によると、ソウル市は約2700億ウォンの予算で地下鉄車両200両を購入する計画を打ち出した。さらに、18年までに新たに420両を購入する予定で、老朽化した車両交換のための予算は22年までに1兆ウォン近くに達する計画になっている。

 「中国中車」は韓国市場に参入するため、入札で価格攻勢をかけてくるとみられ、この1兆ウォンをめぐる入札競争の勝者は「中国中車」になると予想されている。

 韓国側の危機感は高まっている。ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は昨年11月上旬に中国を訪問し、「いかなる場合も独占は認められない。入札企業の選定条件は安全と価格競争力だ」と中国側を牽制(けんせい)した。

 韓国の鉄道車両の製造は、1999年に過当競争と政府の政策を理由に大宇重工業、現代精工、韓進重工業の関連事業が合併した現代ロテムの1社体制だ。ただ、「中国中車」の車両生産能力は7万5000両で現代ロテムの75倍に達し、規模の差は歴然だ。さらに鉄道車両の世界シェアは中国が30%なのに対し、韓国はわずか2.4%。

 現代ロテムの関係者は「(現代ロテムは)3社合併で国内唯一の鉄道車両メーカーになったが、世界レベルでみると中国企業のために生存を心配しなければならないレベル」と話している。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。