【ソウルから 倭人の眼】歴史に固執する朴政権の陰で頭を抱えるソウル市長…観光産業に大打撃 (1/4ページ)

2015.01.31

 日韓国交正常化50周年の今年は、韓国にとって日本の朝鮮半島統治からの解放・独立から70年周年にもあたる。日韓関係が冷え込む中、韓国では国交正常化の節目の年に合わせ、一部で日本へのアプローチの動きもある。しかし、対日姿勢や政策では、国交50年よりも、慰安婦問題など歴史認識を前面に出した解放・独立70年が優先されている。韓国の朴槿恵政権が現在、危機意識を持ち最重要課題にあげているのは、経済の立て直しだが、国交50年よりも重きを置く“反日の論理”が、その足かせにもなりかねない状況にある。(ソウル 名村隆寛)

■前提条件! 前提条件!

 朴大統領は年頭の記者会見(1月12日)で、国交正常化50年の今年、日本との「新しい関係」を模索する姿勢を示した。ただ、依然、実現しない安倍晋三首相との首脳会談については、国交50年を象徴するにも関わらず、「日本側の姿勢の変化が重要だ」と強調。日本が対応すべき課題に慰安婦問題を挙げ、早く解決しなければ「韓日関係だけでなく、日本の歴史にも重荷になる」と訴えた。また、慰安婦問題の解決策は、「韓国国民が納得するものでなければならない」と明言した。

 その1週間後の19日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相も記者会見で、「日本側の動向には関係改善への十分なものはうかがえない。首脳会談実現に向けうまく条件を作らねばならない」と指摘し日本側の努力が、首脳会談の前提であるとの考えを示した。

 菅義偉官房長官は朴大統領の“条件発言”の直後に、「首脳会談に前提条件を付けるべきではない」と不快感を示していたが、尹外相はこれに対抗するかたちで朴大統領の主張を踏襲した。「日本は慰安婦問題を韓日関係の側面でのみ見ているが、国際社会はそれ以上に見ている。日本側でより深く考える必要がある」とも語った。

■韓国が納得する上で

 朴大統領も尹外相も、会見ではまず、日韓国交50周年の重要性を挙げ、「日本側の努力」や「関係改善の条件」については、記者からの質問に答えたものだ。自ら進んで言及することは避けたかたちだが、日韓関係についての韓国側の論理が明確に表れている。

 「あくまでも、歴史認識問題を韓国が納得できるように解決してこそ、日韓国交50周年の意義深さが成り立つ。国交50年にふさわしい首脳会談も、その上で実現されるべし」との考えに基づいている。

 韓国では昨年8月15日の光復節(日本の統治からの解放記念日)に、朴大統領が演説で日韓関係の改善に言及して以来、強硬な対日姿勢が対話へと転換したかのような動きが見られる。今年には、朴大統領の年頭記者会見の直後に、韓日議連の徐清源会長ら韓国国会議員団が訪日し、議員外交を展開。15日には、安倍晋三首相と会談した。

 安倍首相は、「河野談話」を否定しなかったものの、慰安婦問題の政治問題化には慎重な姿勢を示した。しかし、韓国議員団は慰安婦問題の解決に向けた日本政府の努力を要請。ここでも、慰安婦問題に関する韓国側の立場は、朴大統領同様、全く変わっておらず、一歩も譲っていない。

 慰安婦問題で日本の譲歩を求め続ける執拗(しつよう)な韓国の姿勢に、日本にいる知人から「韓国が抱える一番の問題は慰安婦問題なのか」と聞かれたが、実際は違う。朴槿恵政権の韓国は現在、もっと切実な問題に直面しており、大統領自身が、公式の場で何度も言明している。

 

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