「しかし、国内に潜伏するイスラム国関係者や協力者の情報はあまりに足りない。『ホームグロウン(自国育ち)・テロ』や『ローンウルフ(一匹おおかみ)・テロ』となると絶望的だ。一方、イスラム国は日本を驚くほど知っている。事実、中東に関わりのある日本企業数社にはピンポイントで脅迫メールを送りつけているとの情報もある」
安倍首相は3日、「日本は変わった。日本人にはこれから先、指一本ふれさせない」と、国民の生命と安全を守る決意をきっぱりと語った。
ならば首相、日本の情報収集能力を早急に強化しなければならない。特に、外務省が主導する国家安全保障会議(日本版NSC)は是が非でも見直さなければならない。今回の一連の人質返還交渉、情報収集で、外務省が「無能だった」ことは天下が知るところだ。テロとの戦いに万全を期すべきだ。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。