【石平のChina Watch】中国「西側価値観」論争の背景 習総書記の思想統制路線に対する反発と疑問の声 (1/2ページ)

2015.02.23


 マカオ返還15周年の記念式典で演説する習近平国家主席。「思想統制」をめぐる暗闘が始まった =昨年12月、マカオ(AP)【拡大】

 先月末から今月初旬にかけ、大学教育のあり方に関する異様な論争が中国メディアとネット上で展開された。ことの発端は1月29日、教育部長(教育相)、袁貴仁氏による大学の思想教育に関する座談会での発言である。彼は、党の指導による思想教育の「重要性」を強調し、そのためには「西側の価値観を伝播(でんぱ)させるようなテキストが大学教育で使用されることは絶対許せない」と言い放った。

 一党独裁の中国とはいえ、これほど露骨な思想統制を訴える発言は近年では稀(まれ)である。当然、全国の教育界や思想界で大きな反発を招いた。例えば、発言の翌日、北京大学法学院の沈●教授はさっそく自分のブログで「袁部長に対する3つの質疑」と題する文章を掲載した。

 沈教授は中国共産党の唱えるマルクス主義や共産主義はそもそも「西側から伝わった価値観」であると指摘した上で「西側の価値観を伝播させるテキストは許さない」とは一体どういうことなのかと、袁氏の発言を激しく批判した。後に「沈氏3問」と称されたこの名文は直ちに大きな反響を呼び、ネットを通じて広く流布した。

 こうした中で、同じ北京大学の一部教授や中国政法大学の教授らも実名で声を上げ、さまざまな角度から袁氏発言への疑問を表明した。

 反響を呼んだのは学術界だけではない。今月3日、中国社会科学院国家文化安全とイデオロギー建設研究センター副主任という肩書を持つ朱継東氏は逆に袁氏発言を擁護する立場から論評を発表した。彼は「多くの学者、ジャーナリスト、弁護士、企業家、そして文学者や芸能人が沈教授の肩を持ち、袁部長の“つるし上げ”に参加した」と語った。この貴重な「証言」によって、逆に沈教授の袁氏批判が全国で多大な支持を受けていることが分かった。

 

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