【ソウルから 倭人の眼】現実無視できず プライドも捨てられず「孤立」憂う韓国の“独り相撲” (2/4ページ)

2015.06.01


 韓国の朴槿恵大統領【拡大】

■もっとやるべきことが…

 韓国が日本との歴史にこだわる一方で、北朝鮮からは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験や、幹部粛清の動きが伝えられている。北東アジアでの現実的な安全保障への対応に、韓国の歴史への固執は妨げとなっており、これに対する米国政府への苛立ち、懸念をケリー氏は“やんわり”と伝えた。

 ケリー氏は同日、朴槿恵大統領とも会談した。朴大統領は米国の胸の内を際していたのか、歴史問題での日本批判はしなかったという。6月に訪米を控え、米国への無駄な刺激を避けたとみられる。

 日本人記者として韓国で見ている限り、少なくとも韓国が孤立しているとは思えない。むしろ、韓国が勝手に“孤立”を感じているようなのだ。「乗り遅れるな」「取り残されるな」と。

 もう一つ言えるのは、韓国が勝手に自らを孤立させていること。もちろん日本や米国、中国が韓国を孤立させてはいない。残念なことに、これに気付いている韓国メディアはほとんどない。

 日中の関係が冷え込んだときは喜び、日本を非難。逆に日中が接近すればガッカリする。最後には「孤立」を憂い、自国(韓国政府)を責める。まさに“独り芝居”である。

 歴史認識問題で日本を非難している間に、もっとエネルギーを注ぐべきことがあるのではないか。日本人ながら、「そんな余裕あるの?」「もっと韓国の国益を考えてはどうか」とこちらが心配してしまう。知人の韓国メディアの記者にも、会うたびにはっきりと言っている。韓国が直面する現実。経済のことだ。

■「低、減、ダウン、底」とは

 最近、韓国紙を読んでいて気付いたことがある。「低」「減」「ダウン」「底」「非常事態」「沈滞」などの文字(すべてハングル表記)が、見出しや記事に目立つ。いずれも韓国の景気、韓国経済に関する記事に必ずといっていいほど登場する。

 「暮らし向きはどう?」と親しい韓国人に聞くと、たいていが苦笑いを返してくる。経済に関していい話は全く聞かれない。韓国の今一番の心配事、現実問題、実は慰安婦問題ではなく、経済、国民生活に集中している。

 学生は一流と呼ばれる大学を卒業しても希望する企業に就職できない。日本の現在30代半ばの世代が味わった「就職氷河期」に似ている。経済協力開発機構(OECD)や韓国統計庁のまとめとして韓国紙が伝えたところでは、29〜15歳の4月の失業率は10・2%で1996年以降、最悪だった。

 今年1〜3月の24〜15歳の失業率が10・9%と上昇傾向にある一方で、日本では同時期で6・1%と改善が進んでいるという。

 ウォン高。最大の輸出相手国である中国経済の伸び悩み。輸出不振。投資と内需の低迷…。経済紙によれば、韓国の売り上げ上位500社は昨年、売上総額が前年比でマイナス4・4%、総営業利益はマイナス10%だった。鉄鋼などを除く輸出業はすべて不振に陥っている。

 韓国経済は、長期不況が始まった1990年代前半の日本の状態に似てきている−との見方が今や主流。主要シンクタンクはいずれも、長期不況や低成長、長期沈滞といった表現で、韓国経済の展望を悲観している。

 

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