元小樽市保健所長で医療ジャーナリストの外岡立人氏は「対策に当たる韓国保健福祉省や韓国疾病予防対策センターからの情報が極めて不明瞭で、彼らは事態を正確に把握できていないのではないか。最初の患者から感染した人物を介し、さらに感染が広がる3次感染に発展したが、発表されている以上の感染者、死亡者が出ている可能性もある。対策が後手後手で感染がどれだけ広がるのか想像もつかない状況」とあきれる。
悪い事態は続き、朝鮮日報系の経済ニュースサイトは3日までに、MERSに感染した韓国人男性(44)が5月26日に利用した韓国・仁川発香港行きの航空機が、消毒されないまま27日まで名古屋や中国・大連などへの運航を続けたと伝えた。報道は、韓国保健当局から運航会社のアシアナ航空への連絡が遅れたためと指摘。28日に中国・長沙から仁川への飛行を終えた後、消毒が行われたという。
男性は香港から陸路で中国広東省に移動後、27日に韓国政府の連絡を受けた中国当局に隔離され、感染が確認された。
この重大な事態に直面しながら、朴政権下の保健や司法当局は「不確かな噂を流した者は罰する」と表明し、政府への批判を牽制、病院名を公表してほしいとの地元の要望にも応じていない。
現在の状況を、政府の救助失敗で300人以上が犠牲になった沈没事故になぞらえ、「全国民的なセウォル号事故だ」との声も国内で上がる。セウォル号の沈没事故後、安全性の不安から同国への外国人観光客が激減しているが、今回の事態は観光業界へのさらなるダメージとなっている。




