日米が警戒するAIIBの悪しき野望 原子炉輸出で経済支配に重大懸念 石井孝明氏 (1/2ページ)

2015.06.06

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の、悪しき野望がささやかれている。性能では劣るが、安価な中国製原子力発電所をアジア各国に輸出し、経済基盤を支配しようというものだ。AIIB参加に慎重な日米政府は、これを警戒しているという。原発など、エネルギー事情に詳しいジャーナリストの石井孝明氏が迫った。

 「AIIBの狙いの1つは、『赤い原子炉』を輸出するための融資体制づくりではないのか」

 アジア某国の外交官はこう語った。日本の当局者もこの疑惑を否定しなかった。中国がAIIBを使って、経済覇権をアジアで広げようとすることへの懸念が出ているが、原発が武器となる可能性があるという。

 福島第1原発事故で日本では原発への信頼は地に落ちたが、アジア各国では電力・エネルギー不足を補うため、原発の建設計画がめじろ押しだ。中国は現在、30基を運転しているが、2030年までに約140基、50年までに約500基の原子炉稼働を計画している。

 前出の外交官によれば、中国の政府関係者と原子力関係企業がアジア各国で、中国製原子炉をセールスしていることが確認されているという。

 原発は、建設に約3000億円、操作・管理・修繕を請け負えば毎年数十億円が入ってくる。エネルギーは国の基盤であり、「原発を押さえれば、その国の経済を牛耳ることができる」(外交官)というわけだ。

 日米が主導するアジア開発銀行(ADB)に、原発への融資の実績はない。新設となるAIIBは自然と、新しい取り組みである原発建設の支援に向かうとみられる。原発の建設費は巨額だが、AIIBを使えば問題は乗り越えられる。

 

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