日米が警戒するAIIBの悪しき野望 原子炉輸出で経済支配に重大懸念 石井孝明氏 (2/2ページ)

2015.06.06

 ただ、現時点で、中国の原子力関係企業や研究者の技術力は、日米欧の企業よりも劣るとされる。同国の十八番である工事の手抜きや、人為的ミスも心配される。

 万が一、原発事故が起これば、その被害は破滅的だが、中国製原発はとにかく安価だ。中国のSNTPCグループが5月、アルゼンチンで原子炉建設を受注したが、相場よりも1、2割程度安い値段だったもようだ。

 日本には、東芝と三菱重工、日立という原子炉を製造できる企業が3つもあり、国際的に優位性を持っている。だが、国の無策と社会の無理解ゆえ、「このままでは、日本の優位性が失われて、中国に負けてしまう。それでいいのか」(原子力関係の研究者)と懸念を示す声もある。

 一方、中国は技術力の後れを取り戻すため、日米欧の最新技術の収集に全力を挙げている。

 日米当局は、技術や情報の流出とともに、AIIBを利用した中国製原発の乱立を強く警戒しているという。

 ■石井孝明(いしい・たかあき) 経済・環境ジャーナリスト。1971年、東京都生まれ。慶応大学経済学部卒。時事通信記者、経済誌記者を経て、フリーに。エネルギー、温暖化、環境問題の取材・執筆活動を行う。アゴラ研究所運営のエネルギー情報サイト「GEPR」の編集を担当。著書に「京都議定書は実現できるのか」(平凡社)、「気分のエコでは救えない」(日刊工業新聞)など。

 

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