【国際情勢分析】中国はジャイアン、韓国はスネ夫…「ドラえもん」登場人物に重なる国際情勢 (1/2ページ)

2015.06.29


 上海市で「STAND BY ME ドラえもん」を上映する映画館に飾られた宣伝用の人形と記念撮影する地元の若者【拡大】

 中国各地で5月28日に上映が始まった日本発の新作映画「STAND BY ME ドラえもん」(3D版)が、アニメ映画としては中国国内で過去最高の興行収入を記録して、大ヒットを続けている。国営新華社通信が運営するニュースサイト新華網は、「中国の観衆に子供時代の記憶を呼び起こさせている」と伝え、子供だけでなく親の世代にもドラえもん人気が根強いことを強調した。

 登場人物の言動や家庭の様子などは、日本人の心情や一般の生活を中国人が知るすべになっているといえ、これだけ共感を呼ぶことに希望も感じる。

■過去最高の興行収入

 中国で日本の新作映画の上映が認められたのは、2012年9月に日本が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化して関係が悪化して以来、初めて。日中関係の改善が背景にありそうだ。

 ただ、ドラえもんが中国で昨年、「侵略者」呼ばわりされていたことも、しっかりと記憶にとどめるべきだろう。中国共産党機関紙の人民日報の傘下にある環球時報や、四川省の地元紙、成都日報などが昨年秋、「中国人の痛みはドラえもんではごまかされない。日本からの文化侵略だ」などと相次いでヤリ玉に挙げた事実がある。

 このころ四川省成都市内で開かれていた「ドラえもんの秘密道具展示会」が大盛況だったが、この時点では中国当局が、「ドラえもんを通じて善良な日本人の姿が中国の大衆に植え付けられるのはまずい」と判断し、メディアをたきつけたようだ。

 一般の中国人と共産党政権の“ドラえもん観”にはかくも開きがあり、政権側の認識の振り子は、そのときの対日関係によって大きく振れることが分かる。ただ、ドラえもんの映画がようやく上映を解禁されたからといって、中国当局が全面的に日本のアニメにゴーサインを出したというわけではない。

 

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