米大物投資家、中国株を“投げ売り” 上海市場暴落、米国シフト強化へ (2/2ページ)

2015.08.21

 ソロス・ファンドは同じくニューヨーク市場に上場する百度についても保有株を35万8650株から4万2800株と大幅に減らした。同社も中国景気の減速で7〜9月期の売上高見通しが予想を下回り、株価急落に見舞われている。

 1960年代から投資ファンドを運営しているソロス氏の投資は世界経済を大きく揺さぶってきた。その名を世界的に有名にしたのは、92年の「ポンド危機」だ。

 英国の通貨ポンドが実態よりも割高に固定されていると考えたソロス氏は、ポンドを大量に売り浴びせ、買い支えするイングランド銀行(中央銀行)を打ち負かして20億ドル(約2480億円)ともいわれる利益を得た。英国はポンド危機を受けて変動相場制に移行し、ユーロ導入を断念した。

 ソロス氏は米経済誌フォーブスの2015年版世界長者番付では29位で、資産額は242億ドル(約3兆円)にのぼる。

 ソロス・ファンドは中国企業の株を大量に売った一方、米ケーブルテレビ大手のタイム・ワーナー・ケーブルの株やSNS大手のフェイスブック、米国を代表する株価指数のS&P500に連動する金融商品など、米国株を買っている。

 ソロス氏の中国企業売りについて、中国経済に詳しい評論家の宮崎正弘氏はこう指摘する。

 「中国企業に絶望したということだろう。ソロス氏には、情報公開や規制緩和で市場が成り立つという信念があり、中国市場に批判的だ。アリババや百度は急成長しているIT産業で、ニューヨークでも取引できるとあって、多少は有望と考えて投資していたのだろうが、ここにきて見限ったといえるのではないか」

 ソロス氏はこれまで中国経済に対してたびたび懸念を表明してきた。2012年10月に「成長モデルが息切れしつつある」と述べ、成長が鈍化しているとの見方を示したほか、13年5月には、高利回りの金融商品「理財商品」が、リーマン・ショックの引き金となったサブプライム・ローンと似ているとした。

 昨年初めには、「中国の成長モデルはすでに力を失っている」と指摘した。

 習近平政権は、7%の経済成長率を掲げ、4〜6月期国内総生産(GDP)も目標と同じ数字となったが、額面通りに受け止める市場関係者は少ない。習政権が唱える「新常態(ニュー・ノーマル)」という安定成長路線の実現にも疑念が持たれている。

 中国本土の株も波乱含みだ。18日に暴落した上海総合指数は19日も一時4%超急落、取引終了にかけて急速に買い戻されてプラスに転じたが、政府系金融機関による買い支えの影がちらつく。

 ソロス氏の警鐘は現実のものとなりつつある。

 

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