【あめりかノート】安保法制反対派が語らない「奴隷の平和」 (1/2ページ)

2015.08.24

 いまの日本では「平和」という言葉が暴力的な効果をも発揮するようである。より正確に述べるならば、「平和」が日本の国民や国家を守ろうとする努力を破壊する政治的武器に使われる、という印象なのだ。

 朝日新聞などが扇動する安保法制関連法案への反対運動での「(同法案成立は)この国を再び戦争に巻き込む」という類の主張が例証である。同法案は平和を崩し、戦争を求めるのだという虚構の非難が放たれる。集団的自衛権解禁への賛成側は平和の敵と断じられる。個々の政治家の片言隻句を軍国主義とか好戦主義と攻撃する乱暴さは暴力的という表現まで連想させる。

 一方、原爆と終戦の8月の日本では平和は国民の心から真に祈られるといえよう。平和の恩恵と戦争の惨禍を語ることは貴重である。だがその種の言葉が「日本の平和主義」という域まで進むとなると、その「平和」を政策として点検することも欠かせなくなる。

 日本でとくに8月に語られる「平和」は単に「戦争のない状態」を指すといえよう。平和の内容が決して論じられないからだ。戦争さえなければ、他国に支配された「奴隷の平和」でもよいのか。自由も人権も民主主義もない平和でもよいのか。

 この点で忘れられないのは40年前、ベトナム戦争の終わりに目撃した「独立と自由より貴いものはない」という民族独立闘争の標語だった。独立や自由のためには平和も犠牲にして戦争をする、という意味のベトナム共産党のホー・チ・ミン主席の言葉だった。

 

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