【石平のChina Watch】迫りくる中国地方政府の「倒産」 全人代副委員長の衝撃発言に広がる波紋 (1/2ページ)

2016.01.18

 昨年12月22日、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会副委員長の陳竺氏は同会議で地方政府の財政問題を取り上げ、「将来、一部の地方政府が事実上“倒産”する可能性があるので、警戒すべきだ」と語った。各地方政府の深刻な財政難は、国内ではよく知られているが、全人代副委員長の立場にある人が「倒産」にまで言及したのは、まさに衝撃的な発言として全国で大きな波紋を呼んだ。

 陳氏が「倒産」の理由として挙げているのは、各地方政府が抱える膨大な債務問題である。同じ会議において、全人代常務委員で元経済官僚の姚勝氏が披露した数字によると、今、中国全国の地方政府が抱える債務の総額は約16兆元(約290兆円)に上っており、2015年度の地方財政収入の2倍以上に相当するという。「収入の2倍相当の債務」と言えば、先進国の基準ではそれほど深刻な数字でもないが、中国の場合、地方政府の「財政収入」自体が実に危ういものなのだ。

 1994年、中国は中央政府の財政危機を救うために「分税制」を柱とする財政改革を行った。それ以来、国の税収の大半を占める増値税(消費税)などから得る財源のほとんどが中央政府に持っていかれるようになり、各地方政府は慢性的な財政難に陥っていった。

 こうした中で、地方政府が財政収入の命綱としてきたのが「土地譲渡金」という税制外の収入だ。国有地の使用権を不動産開発業者に譲渡する代価として大金を手に入れ、それを財源に充てるのだ。

 たとえば2014年の場合、全国地方政府の財政総収入は7・6兆元であったが、その半分以上の4・3兆元が土地譲渡から得た収入だ。こうした中で、「土地財政」という新造語も生まれたが、全国の地方政府の財政はもっぱら「土地売買」の上に立つ脆弱(ぜいじゃく)なものとなった。

 

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