台湾は日米と「対中包囲網」を強化するしか道はない 児玉克哉氏 (1/3ページ)

2016.01.23


山口市の元料亭「菜香亭」で、安倍首相の書の前に立つ来日中の台湾野党、民主進歩党の総統選候補者、蔡英文主席(左から2人目)と岸信夫衆院議員(左)=2015年10月7日(田中靖人撮影)【拡大】

 児玉克哉(社会貢献推進機構理事長)

 注目されていた台湾総統選挙は、1月16日に投開票され、予想通り最大野党・民進党の蔡英文主席が与党・国民党候補の朱立倫主席と野党・親民党の宋楚瑜主席を大差で破り、初当選を果たした。また立法院の選挙においても民進党が68議席を獲得し、過半数を確保した。大勝利である。民進党が選挙協力を行った新政党「時代力量」も5議席と初陣で大躍進した。「台湾独立志向」の強い政党が6割以上の議席を獲得したことは大きな注目に値する。民進党と時代力量を合わせると実に73議席。安定した議会運営が可能になり、蔡英文新総統は極めて政策展開がしやすい政治環境を得たことになる。台湾の制度では4年任期の2期まで可能である。蔡英文政権は次の8年という長期政権を担う可能性がある。(総合オピニオンサイト iRONNA

 国民党は35議席にとどまり、存在感を失ってしまった。親民党も3議席にすぎない。親中政党が大きく議席を減らしたことになる。

 こうした結果を受けて、これから台湾はどのように進むのか、考えてみたい。

 ■中国との距離

 民進党は台湾の独立志向がある。どこまで具体的に考えるかはばらつきがあるものの、中国からは距離をおきたいのである。とはいっても台湾は今すぐ独立できるような状況にはない。中国依存の政策を持っていた国民党の馬英九政権が敗れたわけだから、蔡英文政権は中国には距離を置く政策を取ることになる。当面は蔡氏が繰り返し言うように中国とは距離を置きながらも現状維持の範囲での政策展開を行っていくとみられる。つまり独立はしないが、中国傾斜はしない、という政策をとるのであろう。

 しかし、中国情勢、世界情勢は大きく変化しつつある。中国自体が経済低迷により大きな経済、社会政策の変更を求められる。また中国が近年行ってきた強引な外交戦略は隣国の反発をかっている。アメリカもこうした政策には強硬策も辞さないといっている。状況によってはもっと積極的な脱中・反中政策をとることが求められる場面が来るだろう。こうした状況の時に強い民進党政権ができたことは大きな意味がある。馬英九政権の時のような状態にはならないことは確かだ。

 これは中国には経済政策においても、国内問題・国際関係においても大きな打撃ではある。台湾企業は中国に相当進出して良好な関係を持ってきたが、経済低迷もあり、今台湾企業は、今後の方向性を決断しなければならなくなっている。こうした台湾企業の今後の戦略に今回の選挙結果は大きな影響を与える。また大きな意味があるのが、香港などへの影響だ。香港でも中国政府と距離を置きたい、という若者が多くなっている。新政党「時代力量」は台湾の若者の力が大きな原動力となった。今回の選挙で打ち出された台湾の方向性は香港の若者の心を動かしうる。

 

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