【外信コラム】中国人記者が次々に失踪… 真実を伝えようとする同業者に敬意

2016.01.25

 「甘粛省のチョコレート事件を取材した数人の記者が捕まったらしい」。正月早々、北京の中国人記者の間でこんな噂が流れた。出回った拘束者名簿のなかに、1回だけ名刺交換したことがある同省地元紙の名物女性記者もいた。

 チョコレート事件とは昨年12月28日、同省金昌市のスーパーが、チョコレートを万引した13歳の女子中学生の両親に商品価格の10倍に相当する罰金を請求し、極貧の両親が払えず、中学生が飛び降り自殺した事件だ。その後、一家に同情した約千人の市民がこの店を取り囲んで抗議、警察と衝突する騒ぎに発展した。

 地元当局は当初、民間のトラブルと判断して事件報道を規制しなかった。地元紙の蘭州晩報、西部商報などが掘り下げて取材し、政商癒着の実態や、貧富の差ができた原因などを分析する秀逸な記事が多く出た。

 しかし、1月になってから、関連記事が次々とネットから削除され、執筆した記者たちとも連絡が取れなくなった。17日、失踪者のうち3人の記者に逮捕状が出たと地元警察が明らかにした。「政府を恐喝した」という容疑だった。

 さまざまな容疑で逮捕された知り合いの中国人記者はここ2、3年で10人近くになる。厳しい環境の中で危険を顧みず真実を伝えようとする同業者に敬意を表したい。(矢板明夫)

 

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