【中国軍事情勢】まもなく任期を迎える台湾・馬英九総統が、南沙諸島・太平島を訪問したのはなぜなのか? (1/3ページ)

2016.02.11

1月28日、南シナ海の太平島で、軍艦「太平」到着の記念碑を見る台湾の馬英九総統(総統府提供)
1月28日、南シナ海の太平島で、軍艦「太平」到着の記念碑を見る台湾の馬英九総統(総統府提供)【拡大】

  • <p>1月28日、南シナ海の太平島で、談話を発表する台湾の馬英九総統(総統府提供)</p>
  • <p>1月28日、南シナ海の太平島で、井戸水を試飲する台湾の馬英九総統(総統府提供)</p>
  • <p>1月28日、南シナ海の太平島で、駐留する海岸巡防署の署員らを慰問する台湾の馬英九総統(総統府提供)</p>
  • <p>1月28日、南シナ海の太平島で、埠頭に停泊する海岸巡防署の巡視船「高雄」(約3600トン)=総統府提供</p>
  • <p>1月28日、南シナ海の太平島にC130輸送機で到着した台湾の馬英九総統(中央左から2人目)=総統府提供</p>

 台湾の馬英九総統は1月28日、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で実効支配する太平島を訪問、駐留する海岸巡防署(海上保安庁に相当)の署員らを慰問した。米国が「失望」を表明する中、あえて訪問した太平島にはどんな戦略的な価値があるのか。(台北 田中靖人)

 ■フィリピンの裁判は「口実」か

 馬総統は28日、C130輸送機を利用し日帰りで太平島を訪問。夜には台北市内の松山空軍基地に戻り、内外メディア向けの記者会見を開いた。馬総統は、フィリピンが常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)で同島を「岩礁」と主張していると批判した上で、自ら訪問して内外に島だと示す必要があったと強調。同島で国際会議を開く構想も披露した。

 地域の緊張を高めかねない行動に、米国が「失望」を表明していたことを受け、海外メディアからは厳しい質問が相次いだ。だが、馬総統は「米国とわれわれは大きな方向は一致している」と反論。ベトナムやフィリピンが抗議しているという指摘にも「様子を見る必要がある」と受け流した。

 国際法上、太平島が「島」であることは常識の部類に属するため、馬総統がフィリピンの主張を挙げたのは、口実だった可能性が高い。2008年2月には民主進歩党の陳水扁総統(当時)が総統として初めて太平島を訪問しており、馬総統も5月の任期終了前に、史上2人目として実績を残したかったというのが大勢の見方だ。また、台湾は南シナ海のほぼ全域の島嶼(とうしょ)とその周辺海域の領有権を主張しており、その主張を改めて宣伝する狙いもあった。

 だが、今年1月28日付の自由時報によると、08年当時、中国国民党の総統候補だった馬氏は、同1月の立法委員(国会議員)選で民進党が敗れたことを念頭に、「暫定総統は政権移行に取り組むべきだ」と陳総統の訪問を批判していた。08年の総統選は3月に行われており、陳総統の訪問は総統選の前。同じ任期満了前でも、1月16日に民進党の蔡英文主席が次期総統に確定している馬総統の場合、より“暫定”の色合いが強い。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。