「中国の主権侵害許さない」習近平氏が強気に転じたわけ…経済低迷の不満そらし? 米中首脳会談

2016.04.02

南シナ海をめぐる米中
南シナ海をめぐる米中【拡大】

 【北京=矢板明夫】訪米中の中国の習近平国家主席は3月31日のオバマ米大統領との会談で、「中国の主権侵害を許さない」と述べ、米国が南シナ海で展開する「航行の自由作戦」を批判した。昨年9月に訪米した際には、「南シナ海を軍事拠点化しない」と述べるなどソフトな姿勢を見せていたが、この半年で態度を硬化させた形だ。背景には、国内の経済低迷に伴い支持基盤が弱体化したことを受け、軍と保守派などの反米勢力の支持を固める思惑がありそうだ。

 昨年夏以降、中国国内で株価が低迷して沿海部で企業倒産が続くなど、経済運営で成果が出せない習政権への不満が党内外で高まっている。今年3月になってから、中国国内のインターネット上で習主席の辞任を求める公開書簡が2通も出回ったことは、政権にとって大きなダメージとなった。治安当局は公開書簡の関係者とその家族を含めて拘束するなど締め付けを強化したが、今度は「人権弾圧」との批判が国内外から殺到した。

 習主席は今回の外遊で政権の求心力を再び高めようとしている、と指摘する声がある。しかし、米側との交渉では北朝鮮や人民元、サイバーテロなどの問題で国民を満足させる成果を挙げるのは難しく、中国が求め続けている「新型大国関係」についても米国はなかなか首を縦に振らない。

 南シナ海問題で米国を批判する強気な発言をしたのは、米中関係にとってはマイナスだが国内の軍や保守派から歓迎されるとの計算があったとみられる。「内政のために外交をある程度犠牲にした」と指摘する声もある。

 北京の共産党関係者によれば、習主席は昨年末から今年初めにかけて大規模な軍改革を行い、軍の掌握を進めた。しかし、改革に伴うリストラで多くの幹部は軍を去り、内部には不満もくすぶっている。一方で、南シナ海における勢力拡張は軍にとっては大きな利権となっている。

 今回の発言を受け、軍が南シナ海でさらなる勢力拡張に走ることが考えられ、南シナ海の緊張は今後、ますます高まりそうだ。

 

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。