【中国軍事情勢】南シナ海で米空母を挑発し続ける中国海軍 自信の背景にある演習の強化 (1/3ページ)

2016.04.11

 2014年5月、上海沖で行われた中露合同演習で、火砲を撃つ中国海軍・北海艦隊の駆逐艦ハルビン(AP)
 2014年5月、上海沖で行われた中露合同演習で、火砲を撃つ中国海軍・北海艦隊の駆逐艦ハルビン(AP)【拡大】

 南シナ海を航行する米海軍艦艇に対する中国海軍艦艇の追尾行動が注目されている。3月にはジョン・C・ステニス空母打撃群の周辺に多数の艦艇が集結。昨年5月には沿岸海域戦闘艦(LCS)を中国海軍のフリゲート艦が目視できる距離で追尾した。挑発的とも取れるこうした行動の背景には、中国海軍が近年、周辺海域での演習を強化し、その能力に自信を深めていることがありそうだ。(台北 田中靖人)

■「実戦」想定

 人民解放軍の機関紙、解放軍報は昨年12月18日、南シナ海の「某海域」で16日に実施された対抗演習の模様を報じた。演習には、北海・東海・南海の3艦隊から艦艇と航空機が参加。同紙記者は「中国版イージス」と呼ばれる052C(NATOコード=旅洋II)型駆逐艦「蘭州」で演習の様子を観戦した。

 記事によると、演習は「実戦化」を念頭に置いたもので、数千平方キロという演習海域が指定されている他はシナリオはなく、各指揮官が自らの判断で行動する。蘭州を旗艦とする赤軍(中国軍)側は、青軍(仮想敵)のジャミング(通信妨害)で早期警戒機の情報が入らず、艦載レーダーのみで相手部隊を探す。青軍はこのレーダー信号を探知し、航空機からの対艦巡航ミサイル攻撃などで蘭州に動力停止に至る損害を与えたと判定された。赤軍の指揮官は別の艦に乗り換えざるを得なかった。一方、赤軍も直ちに反撃し、青軍の駆逐艦1隻を大破、フリゲート艦1隻を撃沈したと判定され、“戦果”は五分五分だったとしている。赤軍は演習の過程で、「第三国の商船」を青軍の艦艇と見誤り、対艦ミサイルで攻撃する失敗もしている。

 台湾海軍の予備役大佐はネット上で、この演習が「機動7号」だった可能性を指摘。事実であれば、「機動」と称される演習としては、初めて南シナ海で実施されたことになる。ただ、中国国営新華社通信(電子版)は昨年11月20日にも、3艦隊から派遣された艦艇や航空機が対潜戦(ASW)の対抗演習を南シナ海で連日、実施していると報じている。7月には南海艦隊とみられる部隊が、「100隻以上」の艦艇と数十機の航空機などによる対抗演習を行うなど、南シナ海での対抗演習が強化されているもようだ。

 

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