【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】北朝鮮がドルに続いて人民元までも偽造 怒り心頭の中国は… (1/2ページ)

2016.04.18

 北朝鮮・新義州と中国遼寧省丹東市を結ぶ「中朝友誼橋」を通行する荷物を載せたトレーラー(共同)
 北朝鮮・新義州と中国遼寧省丹東市を結ぶ「中朝友誼橋」を通行する荷物を載せたトレーラー(共同)【拡大】

 国連制裁で包囲網が狭まるなか北朝鮮が偽札稼業を活発化させている。今月、昨秋に発行されたばかりの中国の新札(100元)の精巧な偽札が中国南西部でみつかった。北朝鮮の偽札は「スーパーノート」と呼ばれる米ドル札(100ドル)が知られるが、最近は中朝国境で中国元が大量に流通している。中国はメディアを使い、新しい偽札摘発を素早く公表、核ミサイルの挑発を繰り返す北朝鮮の“金づる”の取り締まりに容赦ない姿勢をみせている。(久保田るり子)

■中国、摘発で金正恩氏に圧力か

 中国メディアによると、偽造の新札は上海の西南部、浙江省紹興市の銀行で発見された。これまで中国元の北朝鮮製偽札は、国境を往来する中朝貿易や訪中する北朝鮮住民を通じて持ち込まれ、中朝国境地域で大量に流通していた。ただ今回は中国南西部で見つかっており、どんな経緯で紹興市の銀行に入金されたかなどについては、中国は明らかにしていない。

 新しい中国元には最新の偽造防止技術が使われている。発見された偽札は極めて精巧に偽造されており、偽札鑑別機では判明しないレベルだったとされる。北朝鮮は中国の新札が出るとすぐに偽造に着手しており、台所事情の苦しさが改めて確認された格好だ。

 注目されるのは、中国側が積極的に北朝鮮製偽札の摘発を政府系メディアを通じ公表した事実で、そこには中国側の対北姿勢が伺える。5度目の核実験やミサイル発射を予告するなど、金正恩氏が北朝鮮にとって最大の支援国である中国を一切、無視する態度をみせるなか、北朝鮮の不法外貨稼ぎの虎の子技術である紙幣偽造にクギを刺す「中国の金正恩体制の“締め上げ”が始まった」とみることも可能だ。

 北朝鮮の偽札は技術的に「世界最高レベル」とされる。米ドルだけでなく、日本円や韓国ウォン、中国元などを大量に偽造し、マネーロンダリングで本物にすり替えている。

 米ドルの場合、偽札をすり替えるのは北朝鮮外交官たちの仕事だ。韓国に亡命した元外交官によると、北朝鮮は「スーパーノート」を国家レベルで生産し、毎年、決まった時期に海路や陸路で専門の工作員が世界中の在外公館に振り分ける。外交官らはこれを現地の金融機関で怪しまれない金額でいったん、本物の現地通貨に交換、その後、別の金融機関で本物の米ドルに替える。

 一国の北朝鮮大使館で年間30億円ものマネーロンダリングを行った例もある。中国元は中朝貿易で北朝鮮の国内に大量に流通しており本物とのすり替えが容易で近年は激増中だ。

 

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