【ビジネス解読】中国が遺伝子組み換え技術を管理できるのか? 中国化工がスイス企業を5兆円で買収 米国もピリピリ… (1/3ページ)

2016.04.18

 中国国有企業による農薬・種子大手のスイス企業買収が波紋を広げている。これまで欧米が独占し、農業サイエンスの進歩を受けた成長市場とされる農薬・種子分野でも、中国の「爆買い」が鮮明になった格好だ。だが、市場では、中国が最先端の遺伝子組み換え(GM)技術を手にすることへの懸念が台頭。中国企業の後ろ盾となる中国政府に対し、「GM大国」の米国などでは安全保障上の警戒論も高まっている。

■欧米独占に風穴

 「われわれは世界の人口の約2割を世界の農地の7%でまかなわなければならないのだ」

 2月3日、スイスのバーゼル。同国のシンジェンタを買収することで合意したと発表した中国化工集団の任建新会長は記者会見で、膨大な中国国民の食を確保するには、効率の高い農薬と高い収穫量を期待できる種子が必要であることを強調した。

 シンジェンタは農薬では世界最大手、種子でも世界屈指の規模を誇り、遺伝子組み換え技術などバイオテクノロジー分野でも最先端の技術を有する。中国化工が買収に投じる430億ドル(約5兆円)は、中国企業による海外企業の買収として史上最大規模となったことでも話題を集めた。

 中国化工は化学や石油関連製品の事業を手がける国有企業だが、事業の多角化と規模の拡大を急いでいる。昨年にはイタリアのタイヤ大手ピレリを買収する計画も発表し注目された。

 シンジェンタをめぐっては、米中がし烈な争奪戦を繰り広げた。

 農薬・種子大手の米モンサントが何度も買収提案を行ったが、評価額が低いとシンジェンタは拒否。だが、これで株価が急落したシンジェンタの株主が反発し、当時の最高経営責任者(CEO)が辞任する騒動にまで発展した。そんなさなかに中国化工が買収を提案。焦りを強めたモンサントは、再びシンジェンタに買収協議を持ちかけた。

 両陣営の激しい綱引きが展開されたが、中国化工はモンサントと違って農薬事業の規模が小さく、シンジェンタと製品がほぼ重複・競合せず、リストラの心配がないことが決め手となった。「中国政府の後ろ盾がある中国化工には十分な資金力がある」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)ことも見逃せない。

 農薬・種子市場は、「ビッグ6」と呼ばれる欧米大手が長く独占する時代が続いた。シンジェンタを手中に収めた中国化工はそこに割って入り、農薬・種子の単純な売上高だけなら世界トップを争うメーカーに飛躍することになる。

 

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