【石平のChina Watch】習主席と李首相の深刻な対立 「暗闘」の域を越えて「明闘」に発展 (1/2ページ)

2016.05.23

 中国共産党政権の最高指導部において今、習近平国家主席と李克強首相の対立が深刻になっている。

 2人の険悪な関係が明るみに出たのは今年3月初旬の全国人民代表大会開催の時である。開幕式のひな壇上、隣席の習主席と李首相は一度も握手せず、会話を交わすこともなく、視線さえ合わせない異様な光景が衆人環視の中で展開された。

 これまで水面下で激しい権力闘争があっても、表向きは和気藹々(あいあい)の「一致団結」を装うのが中国共産党政権の「良き伝統」である。だが習主席は李首相への嫌悪感をもはや隠さない。対立は既に決定的なものとなった。その日以来2人の間では、お互いへの意地の張り合いのような暗闘が繰り返されてきた。

 4月15日、李首相は中国名門の清華大学と北京大学を相次いで視察した。首相が1日に2つの大学を視察するのは異例だが、厳しい言論弾圧で知識人を敵に回した習主席に対抗して人心収攬(しゅうらん)に打って出たのではないか。

 5日後の20日、今度は習主席が迷彩服を着て人民解放軍の連合作戦指揮センターを視察した。共産党の最高指導者が戦時の迷彩服を身につけるのは前代未聞だが、タイミング的には先日、大学を視察した李首相に対し、「あなたが知識人を味方につけるなら、私は軍の支持を受けているぞ」とのメッセージを送ったのではないか。

 2人の暗闘はさらに続く。4月24日から26日まで、李首相は四川省を視察した。首相はかつての四川大震災被災地の農村を訪れたり、都市部の自由市場で民衆と会話を交わしたりして、いわば「親民指導者」としてのイメージを演じてみせた。そして彼の四川視察が始まる24日という同じ日に、習主席は安徽省へ赴いて地方視察を開始した。

 

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