改革派の中国紙、異例の習政権批判か 外交界重鎮、呉建民氏の追悼記事

2016.06.21

 呉建民氏(共同)
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 【北京=西見由章】中国外交界の重鎮、呉建民氏(77)が18日に湖北省で交通事故死したことを受けて、一部の中国紙が追悼記事の中で、習近平政権への批判とも受け取れる異例の主張を展開している。習政権下での強硬な外交路線に反対姿勢を示してきた呉氏の死去をきっかけに、習氏の支持基盤と対立する中国共産主義青年団(共青団)出身グループや改革派の不満が噴出した可能性がある。

 呉氏は18日早朝、武漢大学での講義のため空港から市中心部に向かう途中、乗っていた車が分離帯に衝突する単独事故を起こし死亡。一部の中国メディアは事故原因を「運転手の睡眠不足や疲労」と伝えた。

 共青団機関紙の中国青年報は19日、1面に呉氏の追悼記事を掲載し、「常に冷静な声を発し、中国外交において巨大な影響力を発揮してきた」と称賛。また、ポピュリズムや民族主義に反対してきた人物だった紹介し、「中国には多様な意見が必要だ」と訴えた。 

 これは、反腐敗運動を大々的に展開して自身への権力集中を進め、「中国の夢」「海洋強国」などのキャッチフレーズとともに強硬な外交姿勢をとってきた習政権への批判ともとれる。

 呉氏は外務省報道局長や駐仏大使などを歴任。元最高実力者、トウ小平氏が打ち出した「韜光養晦(とうこうようかい)」(姿勢を低く保ち、強くなるまで待つ)の外交戦略の継続を訴え、「日米や東南アジアとの対立を避けるべきだ」と主張し続けた。また、「中国のミサイルで日本は火の海になる」などの過激な発言で知られる、習政権の支持基盤である保守派の論客の羅援少将や、タカ派の国際情報紙、環球時報の編集幹部らと論争し、ネット上で「弱腰」「漢奸」との批判も受けてきた。

 ただ改革派の北京紙「新京報」は19日の社説で、「ポピュリズムの本質は改革への反対だ」などとする呉氏の言葉を紹介。「中国にとって最大の脅威は外部の“陰謀”ではなく、その自己認識にある」と主張し、外国人への管理を強化する「反スパイ法」「外国非政府組織(NGO)国内活動管理法」などを成立させた習政権を暗に非難した。 

 

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