【田中靖人の中国軍事情勢】誤射でバレてしまった台湾製「空母キラー」ミサイルの驚きの高性能とは? (1/3ページ)

2016.08.11

雄風3を登載した高速コルベット艦「沱江」。艦橋後部の甲板にキャニスターが見える=6月、台湾北東部・宜蘭県(田中靖人撮影)
雄風3を登載した高速コルベット艦「沱江」。艦橋後部の甲板にキャニスターが見える=6月、台湾北東部・宜蘭県(田中靖人撮影)【拡大】

  • <p>国防関係の展示会で展示された雄風3とキャニスターの模型(手前)=2015年8月、台北市内(田中靖人撮影)</p>
  • <p>台湾が自主開発したコルベット艦「沱江」の甲板に設置された雄風3のキャニスター(中央)。前型の雄風2(手前)より若干大きい=2014年12月、台湾北東部・宜蘭県(田中靖人撮影)</p>

 台湾で7月1日、停泊中のミサイル艇が対艦ミサイル「雄風3」を誤って発射し、命中した漁船の船長1人が死亡する事故があった。その後の調査や報道で、台湾海軍の規律の緩みが浮かび上がる一方、「空母キラー」と呼ばれるこのミサイルの性能が注目されることになった。超音速で飛行し、小さな漁船を自ら探知して船体の中央部に命中した雄風3の性能の高さが、図らずも内外に示された形だ。

■陰謀論も

 事故は7月1日の朝早くに起きた。戦闘能力試験を受けるため、南部・高雄市の左営海軍基地に停泊していた錦江級ミサイル艇「金江」(約500トン)が午前8時15分、1発の雄風3を誤射。ミサイルは中国方向に約40カイリ(約74キロ)飛行し約2分後の同17分、澎湖諸島の南東沖を航行中の漁船に命中、木造の船体を貫通し、その後、約2カイリ(約4キロ)飛行して海中に没した。ミサイルは操だ室を直撃しており、船長が死亡、船員3人が負傷した。

 着弾地点は、台湾海峡の中間線まで約66カイリ(約125キロ)。台湾海峡(幅約130〜410キロ)には多数の船舶が航行している上、有効射程約140キロ、延長型で射程約300キロ超とされる雄風3なら、中国沿岸部まで飛び中国の艦船に命中してもおかしくない。台湾への武力行使の口実ともなりかねず、週刊誌「壱週間」は「あと少しで台湾海峡の戦端を開くところだった」と表現した。当日の台湾海軍の記者会見でも、中国軍の反応を問う質問が出たが、海軍は「いかなる異常もない」と強調した。

 この日は中国共産党の結党95周年の記念日でもあり、事故直後には、台湾独立色の強い民主進歩党への政権交代に不満を持つ軍内部が、蔡英文政権を困らせるためにあえて中国を挑発したのでは、という陰謀論もささやかれた。折しも、蔡総統は中南米外遊中で不在。雄風3が「空母キラー」と呼ばれる“敏感”な兵器であることも、陰謀論に拍車をかけた。

 

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