南シナ海問題「敵の敵は味方」の単純な考え方は通用しない (1/2ページ)

2016.08.24

 先週も触れたオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)が下した南シナ海問題での裁定について、引き続き考えてみたい。私は、かつて中国が、北京五輪後に海洋進出を強め、沖縄県の尖閣諸島に対するプレッシャーを強めることを警告する連載を『諸君!』誌上で行い、それを『平成海防論』(文春新書)としてまとめている。

 その経験から理解しているのは、海の問題に関しては、「敵の敵は味方」という単純な考え方は通用しないということだ。その典型例として日本が心情的に支援してきたフィリピンによるPCAの提訴の裁定が、めぐりめぐって日本の沖ノ鳥島の問題にも波及し、日本自身が膨大な海の権利を失いかねないことになったという問題が指摘されよう。

 昨年11月、自民党の野田聖子・元郵政相がテレビ番組の中で南シナ海・南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)の問題について「直接日本と関係ない」と発言して「不見識」との批判にさらされたが、深い見識があればなおさら簡単には「関係がある」などとはいえないのである。

 こうした場合、よく持ち出されるのはシーレーン(海上交通路)防衛の問題だ。しかし、もしロシアが「わが国にとって重要な輸送路だから」という理由で尖閣諸島の問題に介入しようとしたら、日本はその動きを仕方のないものだと受け入れるだろうか。

 ありえないことだし、絶対に許せるはずもないだろう。

 もし仮に日本が南シナ海に少しでも「誰のものでもない空間」を作り出し、そこに積極的に開発者として乗り込もうという意思があるのであれば、日本のメリットもずいぶんはっきりとしてくる。その一方で、単に東シナ海、つまりは尖閣諸島をめぐって、中国を牽制(けんせい)する動きというのであれば、失うもののほうが大きいのは明らかだ。

 

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