豪州で「中国警戒論」が台頭 国会図書館が全議員に警告の報告書  (1/2ページ)

2016.09.08

 【ビエンチャン=吉村英輝】資源輸出や対内直接投資で中国への依存を深めるオーストラリアで、安全保障面での中国への警戒感が広がっている。連邦議会の調査機関である国会図書館は、中国が欧州までの経済圏を築く現代版シルクロード「一帯一路」構想をめぐる報告書を全議員に配布し、世界での覇権構築を狙う中国の長期的戦略として警告した。豪メディアも中国企業などの豪政界への食い込みぶりを報じている。

 オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙(電子版)によると、8月30日の議会開催を前に、報告書が議員に配られた。

 報告は、中国政府が、豪州北部などで巨費を投じて進めるインフラ整備計画を通じ、南シナ海での領有権主張の正当化への支持に結びつける戦略的試みだと分析。また、中国企業は同構想に沿って、シンガポールやインドネシアに、今年第1四半期に、前年同期比4割増の約36億ドル(約3700億円)を投資したと指摘し、豪州国内でも「企業や銀行、法律事務所が、一帯一路構想を経済機会として推進している」とした。

 その上で、一帯一路構想に沿ったインフラ施設を保護する中国人民解放軍の役割が、中国国内では広く議論されていると指摘。中国の地政学的野心を考慮し、同構想に「用心深い態度」で臨むよう議員に促した。

 昨年9月に就任したターンブル豪首相は中国ビジネスで成功を収めた人物で、中国寄りの姿勢が目立つ。報告をまとめたジェフ・ウェイド氏は、米海兵隊が巡回駐留する豪州北部ダーウィンの港湾権益を中国企業が昨年落札したことに、戦略上の懸念を示してきた。

 

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