【ソウルから 倭人の眼】北朝鮮の核危機は他人事なのか? 韓国でまかり通る「現実逃避」の言い分にはあきれるしかない (1/4ページ)

2016.09.26

 北朝鮮に過去最大規模の5回目の核実験を見せつけられた韓国では、「核弾頭の小型化」を進める北朝鮮が近い将来、核の兵器化と実戦配備を実現することに、政府やメディアが危機感を示している。だが一方で、野党や市民団体などの間では、相変わらず「北の核危機」を、逆に政権攻撃のための材料に利用する動きがある。さらに、社会には現実から目をそらすような風潮さえある。「核保有」を宣言し、核の兵器化に猛進する北朝鮮と最前線で対峙(たいじ)する韓国だが、国民の緊張感は悲しいほどに乏しい。(ソウル 名村隆寛)

■取り返しのつかないことに!

 北朝鮮の5回目の核実験(9月9日)の直後、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は与野各党の代表と会い、北朝鮮の核問題の深刻さを説明した。その上で、野党や反政府勢力が執拗(しつよう)に反発している米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備への理解と協力を求めた。

 THAADは北朝鮮の核・ミサイルに対処するためのもので、5日に中距離弾道ミサイル「ノドン」かスカッドの改良型とみられる3発を日本海に向け発射したのに続き、核実験を強行した時点で、当然、必要視されるべきものだ。朴大統領は「このままでは取り返しのつかないことになる」という差し迫った現実を野党代表に伝えたわけだ。

 しかし、反応は信じられないものだった。最大野党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表と第2野党「国民の党」の朴智元(チウォン)非常対策委員長はいずれも、THAAD配備への反対を表明。秋代表に至っては、北朝鮮への特使派遣を提案し、話し合いでの解決を求めた。

 野党代表らの反応は、翌日の保守系紙で「人ごとなのか。北を説得できると思っているのか」などと強く批判された。それだけではない。野党代表は慰安婦問題での日韓合意の再交渉や、韓国政府による慰安婦財団に日本政府がすでに拠出した10億円を拒否するよう主張したという。

 北朝鮮の核危機が日に日に増幅しているこの期に及んで、日韓両政府が「完全かつ不可逆的な解決」を確認した慰安婦問題の蒸し返しとは。現在進行形の北朝鮮の核問題がまるで“人ごと”であるかのようだ。

 
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