■政策「全否定」に走る世論、あおる野党
【ソウル=桜井紀雄】韓国の在釜山(プサン)日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことは、朴槿恵(パク・クネ)政権のレームダック(死に体)化を端的に示した。友人の国政介入事件で朴大統領への弾劾訴追が可決され、政府が機能不全に陥る中、野党や世論は、朴氏が日本と結んだ合意や協定を「全否定」する動きを強めている。
「少女(慰安婦)像は生きた歴史教科書。市民の像設置は本物の独立宣言だ」
最大野党「共に民主党」前代表で、次期大統領選で支持率1、2位を争う文在寅(ムン・ジェイン)氏は、釜山市東(トン)区が像を一時撤去した28日、ツイッターにこう書き込み、撤去を「親日行為だ」と非難した。弁護士出身のはずの文氏が国際法に反する設置を称賛し、法に沿った区の処置を「親日」という、韓国では否定的意味が極めて強い言葉で糾弾したのだ。
共に民主党は、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「政権交代後、必ず無効化するよう努力する」と宣言している。朴元淳(ウォンスン)ソウル市長や李在明(イ・ジェミョン)・城南(ソンナム)市長ら大統領選出馬に意欲を示す候補らも破棄や再交渉を主張。与党から集団離党を決めた議員グループも「追加協議が必要」と表明した。




