トランプ氏、サクラ動員で会見演出 まるで「お笑い劇場」…俗語連発、質疑応答を“興行化”

2017.01.13

11日、ニューヨークのトランプタワーで、当選後初めて記者会見するトランプ次期米大統領
11日、ニューヨークのトランプタワーで、当選後初めて記者会見するトランプ次期米大統領【拡大】

 ■気がつけば対日批判も正当化?

 昨年11月の米大統領選後では初となったドナルド・トランプ次期大統領の記者会見は、突っ込みどころが満載だ。ニューヨーク・マンハッタンのトランプタワー正面玄関ホールで繰り広げられた記者会見は、まるで「お笑い劇場」のようだった。

 ◆俗語とけんか腰

 9日後には大統領に就任するというのに、当のトランプ氏の行動様式は選挙期間中と同じだ。会見では、「クラップ(がらくた)」といった俗語を連発した。

 足元、インターネットの世界では、ロシアが保持しているというトランプ氏の「不名誉な情報」が評判だ。詳細メモを公開したウェブメディア、バズフィードを「できそこないのごみの山」と罵倒した。

 最初に報じたCNNには「お前の会社はろくでもない。質問には答えない」とけんか腰で、プロレスのように質疑応答を「興行化」する姿勢も変わらない。

 「私は神が創造した最高の雇用創出者になる」と自画自賛する一方で、自身の納税申告書を開示していないことを聞かれると「私は選挙に勝った。誰が気にしているのか」と豪語した。

 実は、トランプ氏の政権移行チームに関わる「サクラ」が会場にいた。トランプ氏が立っていた演壇に向かって左前方に陣取っていたスーツ姿の若者らだ。

 数えたところ、「サクラ」は15人ほど。トランプ氏が政策を説明すると大声でエールを送り、自身をけなすメディアを同氏が非難すると拍手を繰り返した。

 会見を盛り上げ、テレビやネット画面で見ていた視聴者に好印象を与えるための演出だ。会見が終わると、「サクラ」はエレベーターに乗り込んで、トランプタワーの上層階に消えていった。

 ◆自身が報道機関

 「トランプ氏はメディアそのものだ」。米コロンビア大ジャーナリズム・スクールでデジタル・ジャーナリズムを教えるエミリー・ベル氏は、「トランプ報道機関説」を唱える。

 戦前日本の「天皇機関説」ではないが、「トランプ氏個人が一つの機関として国民にメッセージを直接伝える機能」を果たし、「権力者の社会的印象を形成する」という既存の報道機関が担ってきた役割を肩代わりする−という内容だ。

 前日まで正式な案内状が届かないように記者団をじらし、狭い会場には会見2時間前から定員オーバーの数百人が押しかけた。

 「お笑い」満載の中身だったが、マスコミ批判や「サクラ」効果で、気がついたら、トランプ氏の立場を正当化する雰囲気が醸成されていた。

 ちなみに、トランプ氏は、日本が相変わらず「苦手」のようだ。会見では対日貿易の不均衡を批判し、「米国にもっと敬意を払わせるようにする」と中国を非難する文脈に、なぜか米国の同盟国である日本の名前が登場していた。

 「トランプ報道機関」は強力だ。こうした対日観がこれからも米国内で宣伝されるようになると、日本にとっては「お笑い」で済まなくなる。

 (ニューヨーク駐在編集委員 松浦肇)

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