40分以上かけて踏破すると、その場で肩章が渡される。「痛いか」と聞く上官に「痛いです。でも蛙人は痛みを恐れません」と大声で返しても、体中に消毒液を塗られ顔をしかめる者もいた。家族と抱き合った新隊員の手は、痛みのせいなのか、興奮しているのか、小刻みに震えていた。2度目の志願で合格した蘇良中上等兵(25)は「台湾最強部隊の試験を突破し誇らしい。この思い出は一生忘れない」と話した。
■「志願者を鼓舞」
試験は、昨年5月の蔡英文政権発足直前、立法院(国会)で多数となった民主進歩党の立法委員(国会議員)が「親が子供を入隊させたがらなくなる」と批判し、論争となった。背景には、徴兵制と志願制が併存する現状から、2018年に志願制への完全移行を目指しているにもかかわらず、志願兵の比率が目標に達していないことがある。13年には訓練中の規律違反で処分を受けた陸軍の新兵が死亡。「いじめだ」と反発した市民のデモを受け、軍法会議が廃止された。
だが、国防部の陳中吉報道官は「堅実な訓練、強大な力があってこそ国家の安全は保たれる。(試験は)募集面で志願者を鼓舞する効果がある」と強調した。
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