ヒトラー「わが闘争」注釈本、予想の20倍以上売り上げのナゼ 発行1年、教育に活用も

2017.01.18


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 【ベルリン=宮下日出男】著作権が失効したナチス・ドイツの独裁者ヒトラーの著書「わが闘争」が学術的な注釈付きで再出版されて1年が経過した。戦後、“禁書”扱いされてきた同書の出版は議論を呼んだが、これまでに当初予定の20倍以上の部数を販売。南部ミュンヘンにある出版元の「現代史研究所」は、「学術的作業と歴史・政治的な啓蒙(けいもう)のバランスをとる野心的な取り組みは成功した」としている。

 わが闘争は戦後、著作権を有する南部バイエルン州が国内での再出版を阻止してきたが、著作権は2015年末で失効した。同研究所は学術的研究のほか、右翼などが再出版を図り、原書のまま普及するのを防ぐため、その内容に逐一批判的論評を加えた注釈本を昨年1月8日に出版した。

 注釈本は全2巻で計約2千ページ。研究所側は当初4千部しか発行しなかったが、反響は大きく注文が殺到。一時は独誌シュピーゲルのベストセラー本ランキングで首位となり、昨年末までに約8万5千部を売り上げた。今月下旬には第6刷が発行される予定だ。

 一部の出版社や書店がネットを通じて原書の販売を計画するなどしたが、当局が民衆扇動罪で摘発などした。研究所側はこのため、懸念された原書の再出版も阻止されているとみる。

 一方、注釈本を教育に活用する動きも出ている。一部の大学などがすでに授業で利用しているほか、バイエルン州では学校の教材としても使うため、注釈本を要約や抜粋した冊子の作製に取り組んでいる。

 再出版をめぐっては、ネオナチなどがヒトラーの思想を広めるのに利用しかねないとの懸念もあったが、研究所は「心配は無用だった」と指摘。その上で「権威主義的な考えや右翼的スローガンがはやる今こそ、ヒトラーをめぐる議論は全体主義の原因や結果を認識できる機会となる」と強調している。

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