米中の緊張が再び高まってきた。ドナルド・トランプ政権が、中国による南シナ海での軍事的覇権を批判したところ、中国外務省が猛反論しただけでなく、人民日報系メディアは「核兵器の強化」まで持ち出して牽制(けんせい)したのだ。トランプ氏の外交・経済政策に世界各国が動揺するなか、同氏が「最大の敵」と位置付ける中国は武力も含めて対峙するのか。指摘される核戦争の脅威。「狂犬」と恐れられるジェームズ・マティス国防長官が2月、緊急来日するという。
「米国は南シナ海をめぐる争いの当事者ではない。米国側が事実を尊重し、言行を慎み、地域の平和と安定を損なわないよう促す」「他国にどのような変化が起きようと、自らの南シナ海の領土主権と海洋権益を守る決意は変わらない」
中国外務省の華春瑩報道官は24日の記者会見で、ショーン・スパイサー米大統領報道官が前日、「南シナ海を1つの国の支配から防衛する」と明言したことに、こう反論した。他国に対し、「言行を慎め!」とは尋常ではない。
さらに、共産党機関紙、人民日報系「環球時報」も同日、中国は「米国に敬意を払わせるために」核兵器を強化すべきだとする主張を掲載したという。AFPが24日報じた。