セウォル号事故「空白の7時間」を現地取材 口をつぐむ人々 (3/4ページ)

2017.01.29

 周辺の住民や同じビルの病院スタッフに聞いても、みんな示し合わせたように「知らなかった」「見たことがない」と表情を曇らせた。江南に実家のある女子大学生は、母親から名前を聞いたことがあると言う。

 「オンマたちの間では、呼ぶと美容注射を打ちに来てくれるお医者さんとして評判だったようです。江南に住むマダムたちが何人かで集まって“注射をお願い”と電話すると持ってきて打ってくれるって。糸を注入するフェイスリフティングの注射がメーンで、1本30万円くらいが相場だったようです。本人は、外見も地味だし、物静かなタイプだけれど、お金にはうるさかったとか」

 日本の常識からすれば、美容クリニックの医師を家に呼んで、みんなで仲よく注射を受けることなど考えられない。しかし韓国ではそう珍しい光景ではないという。

 「『ヤメ』という注射おばさんがいて、ママ友や親戚たちの間で電話番号が共有されているんです。例えば『ユンケル注射1本』と電話でお願いするとおばさんがスクーターで来てくれて、打ってくれる。1本5000円くらいで、病院に行くより安いし楽だから何回かお願いしたことがあります。そういった注射だけでなく、美容師やエステの『ヤメ』もいますよ」(韓国在住ジャーナリスト)

 注射を打ってくれる「ヤメ」のほとんどは、元看護師。その理由を、産経新聞ソウル駐在特別記者で論説委員の黒田勝弘さんが分析する。

 「韓国の女性の価値というのはとにかく若いことと美人なこと。だから病院の女性スタッフは若い人ばかりで、結婚したら退職するのが普通です。そのため、資格だけ持った『元看護師』が大量に発生するというわけなんです」

 キム医師が注射器を片手に青瓦台に日参する一方、家族たちも朴槿恵利権にありついていた。

 キム・ヨンジェ医院と同じビルに入っていたコスメブランド『ジョン・ジェイコブス』。韓国人に聞いても、「知らない」「聞いたことがない」と首をかしげるこの無名コスメが、2016年夏頃から『新羅ホテル』や『新世界デパート』の目立つ場所に置かれるようになった。

NEWSポストセブン

 

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