中国でアフリカ不法滞在者激増 「民族存亡の危機」の声も (2/2ページ)

2017.03.20

 ナイジェリア・ラゴス市出身のイボ族商人・マース氏はそう言うが、路銀が尽きて不法滞在者や不法移民となるナイジェリア人は後を絶たない。ここ数年は減少傾向ともいうが、彼らが中国マフィアと連携し、詐欺や麻薬の密輸に手を染めるニュースもしばしば報じられている。

 今年2月上旬には、中国政府が旅費と生活費を負担する形でナイジェリア人不法滞在者8万人を母国に送還するとのデマが流れ、駐中ナイジェリア大使館が否定声明を出す騒ぎがあった。

 そんな噂が出るのも、同国出身の不法滞在者が中国に数万人規模で存在すると見なされているがゆえだ。

 「中国政府は国際外交で有利に立つため、アフリカに援助のバラマキやビザの取得緩和をやりすぎた。広州はもともと外国人が多いとはいえ、俺たちの街がアフリカ人に『占領』されたのは中国政府の責任だ」

 広州出身の中国人メディア関係者はそう非難する。

 国内問題の改善よりも、政治的な目的ゆえに遠いアフリカ諸国へのバラマキを優先させる近年の習近平政権の政策は、庶民から「大シャー逼(ダーシャービー=大バカ)」と呼ばれ、極めて評判が悪い。

 現地報道では、他のアフリカ諸国を合わせて不法滞在者数が10万〜30万人にのぼるとの見解も紹介され、「民族滅亡の危機」と扇情的に訴える声すらある。中国政府の「大バカ」政策の悪しき結果というわけだ。

 ●やすだ・みねとし/1982年滋賀県生まれ。ノンフィクション作家。立命館大学文学部卒業後、広島大学大学院文学研究科修了。当時の専攻は中国近現代史。著書に『和僑』『協会の民』『野心 郭台銘伝』など。

 ※SAPIO2017年4月号

NEWSポストセブン

 
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