中ロ国土を丸裸にするTHAAD、米国と水面下で怪しい火花 韓国経済には致命的なダメージ (2/2ページ)

2017.04.26

米韓軍事演習に参加する米軍の戦車部隊。朝鮮半島有事の際には米兵の生命も危険にさらされる=15日(AP)
米韓軍事演習に参加する米軍の戦車部隊。朝鮮半島有事の際には米兵の生命も危険にさらされる=15日(AP)【拡大】

 米ロが水面下で怪しい火花を散らすなか、先週も触れたようにブリュッセルで日程を前倒して行われたNATO外相会議では、ティラーソン米国務長官がクリミア半島問題に言及し、「ロシアのウクライナ及びその他の地域に対する侵略行為」(3月31日)とロシアを非難。対するロシアも「ティラーソン氏のロシアの侵略に関する話は理解し難い」(ラブロフ外相)と反発した。

 米軍によるシリア政府軍攻撃は、まさにこんなタイミングであった。

 この攻撃を対北朝鮮のケースと比べるのには無理がある。まず、シリアの反撃能力は北朝鮮とは比較にならないほど低く現実にもなかった。しかもシリアには戦闘に巻き込まれるような米国や同盟国の民間人はいない。

 一方、朝鮮半島にはアメリカの民間人は多い。日本人や中国人もたくさんいて戦争になれば犠牲は避けられない。米兵の犠牲や経済的な損失は計り知れない。

 そもそも韓国経済には致命的なダメージが及ぶだろうが、1997年のアジア通貨危機でIMF(国際通貨基金)管理となった韓国経済の多くの受益者は実は、アジア通貨危機で韓国財閥の株を二束三文で買い集めた米国の投資家たちなのである。こうした事情が強いブレーキになることは想像に難くない。

 もちろん金正恩朝鮮労働党委員長という変数は、それでも朝鮮半島の有事の可能性を高めている。だが、一方で米国の利害をしっかり見極めておくことも不可欠であろう。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

 
今、あなたにオススメ
Recommended by

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。